1. ホーム
  2. 社会
  3. トイレなど避難所の衛生環境保つには 川崎で防災シンポ

トイレなど避難所の衛生環境保つには 川崎で防災シンポ

社会 神奈川新聞  2019年01月17日 17:00

避難所の居住環境を改善するためのポイントを紹介する中臣昌弘さん=川崎市中原区の市総合福祉センター
避難所の居住環境を改善するためのポイントを紹介する中臣昌弘さん=川崎市中原区の市総合福祉センター

 阪神大震災から24年を迎えた17日、地域の防災力向上を図る「川崎市防災シンポジウム」が中原区の市総合福祉センターで開かれた。熊本地震や西日本豪雨などの被災地に派遣された経験のある市職員や専門家が、避難所の衛生環境を保つ工夫などをパネル討論で紹介。約500人の参加者が熱心に耳を傾けた。

 阪神大震災以降、保健所の環境衛生監視員として全国の被災地に足を運んできた日本環境衛生センター東日本支局の中臣昌弘さんが基調講演。昨年7月の西日本豪雨の際に、岡山県倉敷市の避難所で実践した衛生対策活動を紹介した。

 中臣さんは、小学校の体育館での生活人数に関して「就寝スペースなどを考えると100人ほどが理想的で、最大でも200人が限度」と説明。感染症予防や二酸化炭素濃度を下げるためにも換気が何より大切とした上で、「余裕のある通路を設けることで、空気の流れを生むことができる。プライバシーのための布の仕切りも日中は上げて、空気を広く循環させるべきだ」と訴えた。

 特に水害の被災地では、靴に付着した泥が乾燥して土ぼこりが舞うことへの対策が欠かせないとも指摘。がれき処理の作業員が土中のレジオネラ菌で肺炎になったケースがあったとして注意を呼び掛けた。

 トイレを清潔に保つためにしっかりと当番を決める重要性にも言及。「不衛生なトイレだと排せつを控えようとして水分を取らなくなり、エコノミークラス症候群になりやすい」と理由を述べた。

 このほか、避難所中央に食事や物資提供スペースを設けることで顔の見える関係が生まれることや、「お困りごと掲示板」で情報共有や環境改善が図られるなど、望ましい避難所の事例を紹介した。

 基調講演に続くパネル討論では、熊本地震と西日本豪雨の被災地に赴いた市職員らが避難所の様子などを説明。熊本地震で派遣された保健師の古屋智子さんは、肺炎予防のための口腔(こうくう)ケアの必要性を訴えたほか、椅子に座ってできるエコノミークラス症候群予防の体操も披露した。


シェアする