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専守防衛考
時代の正体〈661〉大綱は「国軍方針」に NPO法人ピースデポ・特別顧問 梅林宏道氏(上)

時代の正体 神奈川新聞  2019年01月12日 01:13

梅林宏道氏
梅林宏道氏

 政府が閣議決定した新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と次期中期防衛力整備計画(2019~23年度)は歴代のものと異なり、攻撃能力の強化が盛り込まれるなど、憲法9条に基づき掲げてきた「専守防衛」が骨抜きにされかねないとの指摘が相次ぐ。防衛問題に詳しいNPO法人ピースデポ(横浜市港北区)の梅林宏道特別顧問には「国軍の方針」にも映るという。

 -今回の防衛大綱の印象は。

 「憲法9条のもと専守防衛の政策をとる日本の大綱は、これまで他国の防衛文書とはトーンが違った。ところが今回は、他国の文書に似ている。『専守防衛』とは書いているが、自衛隊は軍事戦略を実行に移す戦闘部隊にがらっと趣を変え始めている。『国軍の方針』という感じで、単に防衛だけでなく国のグローバルな戦略の中に軍事的役割を据えているというのが第一の印象だ」

 「もう一つは、自衛隊自体が海外にプレゼンス(影響力、存在感)を示すことが大事であると、初めて書いていることだ。どこの国に対しても、グローバルな軍事的パートナーとして自衛隊は『いつでもここにいる』と示すと。他国が攻撃にさらされたとき、日本への影響が甚大と思われるなら日米で集団安全保障体制に入って反撃することを打ち出した15年の『日米防衛協力のための指針(ガイドライン)』を受けた大綱であることが背景にあろう。軍事的プレゼンスを国のトータルな戦略として位置づけていることが非常に印象深い」

 「あとは、安保協力について非常に具体的に書いているが、結局、トランプ米大統領の商売に全面的に協力している。安倍首相のある意味『卑屈外交』みたいなものと、日本の防衛産業への一つのサービスと思うが、米国の先端装備を受け入れつつ、日本独自の技術開発が必要とアピールしている。開発について、学術会議はとりあえずは反対の姿勢を示したが、先端技術への投資を増やさねばならないと強調されている。次の自立的国防力をにらんだ戦略だろう」

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