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県農業協同組合中央会・連合会 長嶋 喜満会長
展望2019(4)改革継続し農家支援

経済 神奈川新聞  2019年01月11日 02:36

JA・長嶋会長
JA・長嶋会長

 昨年12月、米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP)が発効した。法人化や規模拡大による競争力強化が叫ばれるなど、国内の農業を取り巻く環境は大きな変化を迎えている。県農業協同組合中央会・連合会の長嶋喜満会長に県内農業の現状や課題を聞いた。

 -2018年を振り返って。

 「自然災害が非常に多かった。特に台風24号は県内にも大きな爪痕を残し、農畜産業で6億4千万円の被害があった。国や県から迅速な支援があり大変助かった。われわれも農家が早く営農を再開できるよう、資金面だけでなく人的支援を行った。自然災害の度に農作物が被害を受け、農家の苦労は大きい」

 「消費者は安い商品を求めるが、食料の安全保障のことを考えると、安い外国産のものを輸入して賄えばよいというものでもない。日本の農地・農業を守り、国内で安定した食料生産を続けていくことの大切さをどう伝えればよいか、これまでになく考えた一年だった」

 -11カ国によるTPPに続き、2月に欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)も発効する。

 「畜産・酪農への影響は大きいだろう。畜産業が衰退し、堆肥が減少すると耕種農家にも影響が出てくる。国産の畜産物の安全性を広く伝えると同時に、農家がやりがいを感じられる畜産業を維持していくのがわれわれの責務だ」

 -具体的にはどう進めるのか。

 「卵農家が作るスイーツや、畜産農家のレストランなどはとても好評で、県民にも好感を持って受け止められている。今年から『神奈川じゃん』というスローガンのもと、県内の直売所が連携し、県内各地の農畜産物をPRする取り組みを始めた。県内でおいしい牛乳や食肉が生産されていることに改めて驚く方も多く、手応えを感じている」

 -環境の大きな変化にどのように対応していくのか。

 「2019年は国連が定めた『家族農業の10年』スタートの年。世界的にも家族農業がメインの国は多く、日本もその状況がしばらく続くだろう。近年、農業分野には多様なプレーヤーが参入してきているが、日本の農業について大局的な視野を持って動いていく結集軸となり得るのがJAだと自負している。環境の変化に即応し、組合員の思いを反映した改革を継続していきたい」

 -農協の自己改革の進展状況は。

 「政府が示す『農協改革集中推進期間』は19年5月までとなっているが、これはあくまでもわれわれの活動を見直すきっかけ。農業の担い手の所得向上や、少しずつ増加している新規就農者の支援など、農家組合員や地域のための活動をこれからも続けていく。18年度は『食と農を基軸として地域に根ざした協同組合』を確立する改革の完遂の年。19年度からは改革の2サイクル目に入る。PDCAを継続し、強い決意を持って取り組んでいく」

ながしま・よしみつ 2011年にさがみ農業協同組合(JAさがみ)代表理事組合長、14年から同組合会長。JA県中央会では11年に理事、14年に副会長、17年6月から現職。JA全農かながわなどの会長も兼任する。東京農業大学卒。藤沢市在住。67歳。


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