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7カ月の乳児死亡、揺さぶり原因か 父親逮捕、母も目撃?

社会 神奈川新聞  2019年01月10日 17:00

神奈川県警本部
神奈川県警本部

 厚木市の自宅で2016年12月、生後1カ月の長男に暴行を加え、約6カ月後に死なせたとして、県警捜査1課と厚木署は10日、傷害致死の疑いで、父親で配送業の男(26)=厚木市=を逮捕した。県警は長男が「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」で脳に重い障害を負った結果、死亡したとみている。当時未成年だった母親の関与も調べているとの理由で、長男と父親の氏名を明らかにしていない。

 逮捕容疑は、16年12月中旬ごろ、厚木市の自宅アパートで、長男の頭を激しく揺さぶるなどの暴行を加え、外傷性脳損傷による脳機能障害を負わせ、17年6月13日に生後7カ月で死亡させた、としている。

 父親は「強く揺さぶった結果、死亡させてしまったことは間違いないが、殺意を持ってやった訳ではない」と供述している。16年12月当時は長男と父母の3人暮らしで、母親は暴行を目撃していたとみられる。

 県警によると、同17日夜、長男は母親の知人が運転する車で、厚木市内の病院に運ばれた。目立った外傷は確認されなかったものの、頭蓋内に出血が見つかり、横浜市内の小児総合病院に入院。父母は搬送時「長男が呼吸をしておらず、体を強く揺さぶったら大泣きしてぐったりした」と説明したという。

 長男は脳が萎縮し、重度の運動障害が残るなど重篤な状態に陥ったが、症状が安定したため、17年3月に退院した。その後、父母と3人で厚木市内の母方の祖父母宅に身を寄せたが、17年6月に横浜市旭区のアパートに転居。長男は直後の同13日、容体が悪化したとして病院に搬送され、死亡した。調べに対し、父親は「おしゃぶりをくわえてうつぶせに寝ていて、朝起きたら息をしていなかった」と供述している。

 県警は、司法解剖や複数の医師らの見解などを踏まえ、長男の死亡がSBSに起因するとの見方を強め、当時一緒にいた父母が事情を知っているとみて捜査。9、10日と父母を任意で調べていた。

 病院は16年12月の長男の入院段階で、虐待の疑いがあると県厚木児童相談所に通告。同児相は退院後の養育環境について、父母に対し、長男の祖父母との同居を求めたが、横浜市内への転居後は3人だけで暮らしていた。父母は長男の通院先に近いなどの理由を挙げたという。

 厚木署も入院直後に連絡を受けていたが、署内での把握にとどめていた。捜査1課や人身安全に対応する部署が事態を把握したのは、長男の死亡後だった。


0歳長男死亡事件の経過
0歳長男死亡事件の経過

幼児虐待、兆し把握も…
連携不足 揺らぐ命



 幼い子どもが虐待で命を奪われる事件が後を絶たない。虐待の兆候を把握しながら児童相談所や自治体などの対応が不十分だったり、関係機関の情報共有が十分でなかったりして防げなかったケースも相次ぐ。

 厚生労働省のまとめによると、全国の児相が2017年度に対応した児童虐待の相談件数は13万3778件。統計を始めた1990年度(1101件)の120倍に膨れ上がった。

 東京都目黒区では昨年3月、当時5歳の女児が両親から虐待を受けて死亡。1月に転居する前に住んでいた香川県の児相は2度にわたり一時保護していたが、引き継ぎを受けた都の児相は女児と接触できなかった。

 厚労省の専門委員会は10月、転居に伴い、香川県と都の児相間の引き継ぎでは危険性が十分に伝わらなかったとする報告書をまとめた。

 県内でも2013年4月、横浜市磯子区の雑木林で女児=当時(6)=の遺体が発見された。転居を繰り返しており、学齢期の女児の不就学を自治体が把握するのに時間がかかり虐待の発覚が遅れた。

 翌14年5月には、厚木市のアパートで死後7年以上たった男児=同(5)=の白骨遺体が見つかった。児相が04年に迷子として一時保護し、その後、小学校に未就学だったことも把握しながら県警に連絡するなど対応しなかった。

 いずれも自治体や児相などの情報共有の在り方が問題視された。


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