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1月、横浜でシンポジウム
がん経験支える側に 当事者団体不安や悩み共有

社会 神奈川新聞  2018年12月24日 17:00

ピアサポートよこはまの活動について話す事務局長の野田さん =横浜市中区
ピアサポートよこはまの活動について話す事務局長の野田さん =横浜市中区

 覚悟はしていたが頭の中は真っ白。冷静を装うつもりだったが何も考えられない-。横浜市戸塚区の野田さおりさん(50)は、乳がんの告知を受けた当時を振り返る。がん患者の不安や悩みを同じ境遇の人が聞き、経験を基にアドバイスする「ピアサポート」を手掛ける団体「ピアサポートよこはま」。事務局長を務める野田さんは「自分自身もがん体験者に救われたからこそ、悩み、苦しんでいる人たちを支えたい」と話す。

 野田さんが告知を受けたのは2010年2月。07年頃から母親とともに胸にしこりがあり、3カ月から半年ごとに経過を観察した。良性と診断されていたが、10年1月にしこりが大きくなったように感じられ、急きょ受診して悪性と分かった。

 母親も07年に乳がんの手術を受け、術後1カ月ほどで元気にしていたことから「そんなに心配することもないかな」と思っていた。だが、違った。自身が告知を受けた後はショックのあまり帰宅時の駅構内で涙が止まらなかった。

 左胸の乳房を全摘出し、同時に胸の再建手術を受けた。術後は順調で復職したが、12年夏に退職した。職場は病気への理解があり、時短勤務や在宅勤務を認めてくれたが、「仕事をセーブするのも自分にとってはストレス。これまで仕事で走り過ぎていたこともあり、自分の器に合った生き方をしたかった」

 乳がん患者の相談に乗る資格取得をきっかけに、ピアサポートよこはまと出合い、メンバーになった。

 同団体は、県とNPO法人キャンサーネットジャパン(東京都文京区)の協働事業として、10年に活動をスタート。事業終了に伴い県の補助金を打ち切られたが、活動を継続。これまでに乳がんをはじめがん全般について1500件を超える相談に応じてきた。

 今年4月からは、かながわ県民センター(同市神奈川区)で資格を取得した元がん患者らの女性13人が週1回の電話や対面による相談業務のほか、2カ月に1回の患者同士やその家族が出会えるサロンを開いている。今後は県内でがんのピアサポートを手掛ける団体同士で連携し、現状や課題を共有していく。

 主な課題は活動資金だ。「相談日を増やすなど環境を整備できれば、より多くの人を支えられる」と野田さん。「がん患者には心の痛みや再発などの不安があるが、友人や家族にもなかなか理解してもらえない。体験者だからこそ可能な支援を続けていきたい」と話している。

1月、横浜でシンポジウム

 ピアサポートよこはまが主催する「がんピアサポート大会inYokohama」が1月19日、横浜市開港記念会館(同市中区)で開かれる。「乳がん診療におけるピアサポートの意義と展望」をテーマに、平塚共済病院の谷和行医師が講演するほか、県内の病院で活動するピアサポーターがシンポジウムを行う。先着50人で事前申し込みが必要。午後2時から。参加費千円。申し込み、問い合わせはピアサポートよこはま(peeryokohama@gmail.com)まで。


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