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苦境の阿蘇に“伴走” 箱根ロープウェイが共同イベント

社会 神奈川新聞  2018年12月22日 17:00

噴火の影響で駅舎などが損壊し、ロープが取り外された状態の阿蘇山ロープウェー =2017年7月
噴火の影響で駅舎などが損壊し、ロープが取り外された状態の阿蘇山ロープウェー =2017年7月

 火山活動の影響で4年余りも休止を余儀なくされている熊本県の阿蘇山ロープウェーが、運行再開に向けた一歩を踏み出した。噴石の直撃で損壊した駅舎などの解体に今秋着手。来春までに工事を終え、施設のリニューアル計画を具体化させる方針だ。箱根山(箱根町)の火口近くで運行し、同様のリスクを抱える箱根ロープウェイは24日、大涌谷駅で、阿蘇観光の支援も兼ねたクリスマスイベントを共同開催し、取り組みを後押しする。

 阿蘇山ロープウェーを運行する九州産交ツーリズム(熊本市)によると、解体事業は10月に着手。来春までに2カ所ある駅舎を取り壊すほか、ロープを支える支柱も撤去する。

 営業再開の具体的な時期は固まっていないものの、同社は「観光の中心として地元の期待もあり、残さなければならない」と判断。駅舎などの強度をさらに高める必要もあるため、採算性を見極めながらリニューアルの方策を探っている。

 同ロープウェーの運行休止は、気象庁が阿蘇山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げた2014年8月から継続している。熊本地震半年後の16年10月に起きた爆発的な噴火では、火口間近の駅舎や支柱などが激しく損壊。噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)への引き下げを経て、火口周辺の立ち入り規制が解除された今年2月以降は、代行バスを走らせて火口見学の足を支えている。

 しかし、「客足は回復しつつあるが、噴火前の水準には達していない」と同社担当者。「危険というイメージが拭えず、火口見学が再開されたことについても周知が行き届いていない」と課題を口にする。規制解除後も、火山ガスの濃度上昇などに伴い、一部のエリアで立ち入りが禁じられる状況が珍しくないという。

 一方、同様に火口観光を集客の目玉に据える箱根ロープウェイ(本社・小田原市)も、途中駅がある大涌谷を中心とした15年の火山活動で、同年5月から16年7月まで全線運行ができない状況に陥った。営業的に大きな損失となっただけでなく、箱根町内の観光事業者も大きな打撃を受けた。大涌谷は今も火山ガスの濃度が安全なレベルにまで低下しておらず、部分的な開放にとどまっている。

 ただ、こうした苦境の時期や状況が重なったことに加え、先進的なガス規制を実施している阿蘇山が、箱根山の新たな安全対策のモデルとなった縁もあり、両社は提携。双方の駅でオリジナルグッズの販売を行うなど結び付きを強め、昨年のクリスマスに大涌谷駅で初開催したイベントを今年も継続することにした。

 箱根ロープウェイの担当者は「熊本の観光が好転するまで一緒に頑張っていきたい」と強調。九州産交ツーリズムの担当者は「熊本の魅力を知り、足を運ぶきっかけになれば」と期待している。

 24日は熊本県のPRキャラクター「くまモン」がサンタに扮(ふん)して登場予定。来年のNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人で、箱根駅伝創始者でもある熊本出身の金栗四三を紹介したブースも設け、熊本の特産品も販売する。入場無料で、午前11時~午後2時半ごろ。


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