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30年代ビーズで“新世界”ブローチ 刺しゅう作家・小林モー子さん

カルチャー 神奈川新聞  2018年12月21日 11:10

刺しゅう作家の小林モー子さん
刺しゅう作家の小林モー子さん

 フランスのビンテージビーズを材料に、斬新なデザインでブローチを作る刺しゅう作家がいる。茅ケ崎出身の小林モー子さん。小林さんが主宰する都内のアトリエ「maison des perles(メゾン・デ・ペルル)」を訪ねた。

 シロクマ、ネコ、ブタなど動物のほか、お弁当箱、吹き出し、心臓など、思いもよらぬモチーフで作ったオリジナルのブローチが人気を集めている。


動物をモチーフにしたアンティークビーズのブローチ
動物をモチーフにしたアンティークビーズのブローチ

 「昔からの伝統的なデザインだけでなく、手芸の魅力を伝えるために、新しい発想を大切にしています」と小林さん。

 タコのブローチでは口元に黒いスワロフスキーを付け、墨を吐く“瞬間”まで表現するなど、今までになかったデザインは驚きにあふれている。


スワロフスキーがついたブローチ
スワロフスキーがついたブローチ

 モチーフの魅力とともに注目されているのは、その材料だ。主に使用するのは、1930年代にフランスで製造されたガラスのビーズ。「現代のビーズは均一的で美しいけれど、30年代のビーズは形はさまざまでどれ一つ同じものはなく、色も独特で、私はそこに美しさを感じました」と目を輝かせる。

 フランスでは現在、ガラスビーズの製造は行われていない。なかなか手に入らない材料を、パリののみの市などで見つけてストックしてきた。「特にブタのブローチで使うピンク色は、熱の加減で作るのが難しくて数も少なく、とても貴重な物。発見できたら幸運です」と語る。


作品に使うフランス製のアンティークビーズ
作品に使うフランス製のアンティークビーズ

 小さい頃から、洋服に興味があった。洋裁を学ぼうと、文化服装学院に進学。卒業間際、運命の出合いがあった。

 渋谷の展覧会でオートクチュール界で使用される豪華な刺しゅうを見て、その技術力の高さに目を奪われた。「どうやって作っているのか、一から学びたくなりました」

 卒業後、パタンナーとして働きながら資金をためて渡仏。パリの刺しゅう学校で、「crochet de luneville(クロッシェ・ド・リュネビル)」と呼ばれる伝統的なかぎ針の刺しゅう技術を学び、約7年、パリで刺しゅう作家として研さんを積んだ後、帰国した。


かぎ針で刺しゅうをするリュネビル法。「訓練をすれば、ミシンをかけるような感覚で刺しゅうができます」と小林さんは言う
かぎ針で刺しゅうをするリュネビル法。「訓練をすれば、ミシンをかけるような感覚で刺しゅうができます」と小林さんは言う

 アトリエでは、リュネビル法を学べる教室も開催し、刺しゅうの魅力を伝える。「『古くさい』と思われがちな手芸界だけれど、伝統的な技法も大切にしながら自由な発想と組み合わせて、常に新しい風を吹き込んでいきたいです」と小林さんは話している。

maison des perles[メゾン・デ・ペルル]
・東京都渋谷区西原2の26の5
・電話03(6416)8644
・アクセサリーは「銀座・伊東屋」横浜元町店(横浜市中区)などのほか都内のイベントで販売している。


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