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「曽屋水道」登録記念物へ 住民資金による全国初の近代水道

カルチャー 神奈川新聞  2017年06月17日 02:00

明治時代に整備された水源の開口部
明治時代に整備された水源の開口部

 国の文化審議会は16日、1890(明治23)年に完成した秦野市の「曽屋水道」について、登録記念物とするよう答申した。住民の資金で作られた全国初の近代水道だった。感染症が流行し、安全な水道の必要性を感じた地元住民の熱意で建設された。

 曽屋水道は同市水神町の水源に配水場を設け、約5キロを流れて市街地に給水し、1983(昭和58)年ごろまで水道として使われていた。現在は明治期の配水池、大正期のポンプ室、れんが造りの水源の開口部が残り、水路を通った水が市役所前を流れている。

 1879(明治12)年に全国的にコレラが発生し、人口千人の旧曽屋村でも25人が亡くなった。当時、用水路の水を生活用水として使っていたが、近代水道の必要性を感じた地元有志が寄付金や借金などで1万1365円(現在の約4千万円)を集め、建設した。 90年に国が公布した水道条例では、消火栓やろ過設備の設置が義務付けられた。曽屋水道では設計段階から両設備の設置を盛り込み、同条例の基準を満たす全国初の簡易水道となった。

 秦野周辺の湧き水は「秦野名水」と呼ばれ、昨年は環境省の名水総選挙でおいしさ日本一に選ばれた。曽屋水道水源の水質は非常に良かったため、整備したろ過設備は使われなかったという逸話も残る。市は「日本一のおいしさだけでなく、秦野の水の歴史的意義もPRしたい」と話している。

 このほか全国では、国内最大級の縄文時代の集落跡で、1971年に史跡に指定していた「加曽利(かそり)貝塚」(千葉市)を特別史跡とするよう答申。草津温泉の源泉地「湯畑」(群馬県草津町)など6件を名勝に指定するよう答申した。


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