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農業向け融資52%増 新規就農者も

経済 神奈川新聞  2017年06月16日 09:41


高床式砂栽培のビニールハウスで野菜の生育状況を確かめる木村さん=大和市
高床式砂栽培のビニールハウスで野菜の生育状況を確かめる木村さん=大和市

 日本政策金融公庫横浜支店がまとめた2016年度の農業・食品産業向け融資は100億円で、前年度から52%増えた。国産農林水産物を取り扱う食品企業の設備投資需要が伸びたほか、新規就農者らの資金需要に応えた結果という。

 食品産業向けは65億円で、2倍以上に増加。乳業メーカーの工場建設費用などに融資した特定農産加工資金が、48億円を占めた。

 農業向けは7%減の34億8900万円。営農類型別では野菜が25件、養豚が11件、肉用牛が7件だった。融資額では養豚(21億8080万円)、肉用牛(8億8850万円)、野菜(2億5277万円)の順。また、青年等就農資金の融資は3700万円だった。新規就農者が設備や機械の導入、肥料の購入など農地取得以外に幅広く利用できる融資で、8人を支援した。

 同支店担当者は、17年度も事業性評価を取り入れ新規就農者を積極的に支援する考えを示した一方、「今後は経営を軌道に乗せるためのフォローが求められる」。農業を成長産業に育てるため、「行政や金融機関などが一体となり、就農者を継続支援する必要がある」とした。

野菜育て提供 大和でカフェ開業


 連作をしても病気や生育不良になりにくい「砂栽培」と呼ばれる方法で野菜を育て、併設するカフェのメニューに取り入れている新規就農者が大和市にいる。空調設備工事業を営む日吉唯晴さん(41)が親戚と二人三脚で取り組んでおり、今月、同市内でカフェの開業にこぎつけた。

 日吉さんが知人を通じて砂栽培の技術に出合ったのは3年ほど前。空調設備工事が軌道に乗り始め、地域貢献型の業容拡大を模索していたころだった。土耕栽培などに比べ初期投資や維持費などの負担が少なく、初心者でも取り組みやすいという利点に着目した。

 高床式砂栽培を行うビニールハウスやカフェ「VERDURA(ベルドゥーラ)」が建つ敷地の面積は約600平方メートル。日本政策金融公庫の青年等就農資金の融資を受け、自分たちで整備した。

 「生産面積は家庭菜園並みだが、カフェの併設で収入アップを目指す」と話すのは、日吉さんのはとこで、カフェ店長を務める木村洋輔さん(30)。現在はビニールハウスでチンゲンサイ、コマツナ、サニーレタスなどを育て、カレーやスムージーなどのメニューに利用する。

 今月中に綾瀬市でも栽培設備を整え、両所とも散水や養液管理などを自動化する。今後は生育環境や作物の特性を見極め品種を増やし、直売なども行う方針。栽培ノウハウのパッケージ化にも夢を膨らませており「農作業だけでは得られない価値と収益を得て、地域活性化の一助を担いたい」(木村さん)と意気込む。


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