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箱根噴火警戒で新基準 レベル引き下げ慎重

社会 神奈川新聞  2017年06月15日 17:21

 箱根山(箱根町)に導入されている5段階の噴火警戒レベルの判定基準を気象庁が見直し、14日から運用を始めた。観測史上初の噴火に至った2015年の火山活動で得られた知見を生かし、レベルを速やかに引き上げられるよう地震回数などの条件を明確化。一方、居住者や観光客らの安全を確保するため引き下げは慎重に判断し、レベル2(火口周辺規制)やレベル3(入山規制)にした場合は少なくとも1カ月程度は下げずに維持するとした。

 現在はレベル1(活火山であることに留意)となっている箱根山の噴火警戒レベルは09年に導入。判定基準は気象庁の内規として作られていたが、抽象的な表現があるなど客観性に乏しく、15年6月の小規模噴火ではレベル3への引き上げが翌日になるなど運用面に課題を残した。

 当時の反省も踏まえて見直された判定基準では、火口のある大涌谷から居住地が近いという箱根山の特徴を踏まえ、噴火の発生時はより規模の大きい噴火を警戒してレベルを上げることを基本とした。

 レベル2については、活発な噴気活動に加え、一定回数以上の地震(30日間平均で1日3回以上)や地殻変動など複数の現象が重なった場合とし、レベル3では15年の噴火直前に観測された継続的な火山性微動を基準に加えた。引き下げに関しては、3から2は火山性微動などがみられなくなってから1カ月程度経過した後で、2から1は噴気以外の現象が活発化前の状況に戻ったかどうか1カ月ほど見極めて判断する。

 箱根山では運用例のないレベル4(避難準備)とレベル5(避難)の基準も具体化。非常に活発な地震活動(マグニチュード2以上が1時間に10回以上)が起きれば、レベル1の状態からでも、広範囲に影響するマグマ噴火を警戒してレベル4に引き上げるほか、噴火が発生していない状況でも、火山性微動や地震活動、傾斜変動が激しくなればレベル5にする。

 噴火警戒レベルの判定基準の見直しは、14年の御嶽山(長野、岐阜県)噴火を教訓に全国の活火山で順次進められ、伊豆大島(東京都)や阿蘇山(熊本県)など12火山が公表済み。箱根山の見直しには、県温泉地学研究所などが協力した。各レベルに応じた規制範囲や避難対応は箱根町などが定めている。


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