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博士の遺志継ぎ教え子ら資料館設立、建設会社内に縄文土器や埴輪など5000点/横須賀

社会 神奈川新聞  2010年11月26日 11:46

縄文土器など古代の遺物を多数展示している宇内社長=赤星直忠博士文化財資料館
縄文土器など古代の遺物を多数展示している宇内社長=赤星直忠博士文化財資料館

縄文土器など古代の貴重な遺物を社屋の一部に収め、資料館として一般開放している建設会社が横須賀市にある。三浦半島地域の考古学研究の先駆者で、1991年に亡くなった横須賀出身の文学博士・赤星直忠さんが生前に残した研究の功績を15年前から保存し続けている。県内に限らず全国から研究者が資料の閲覧に訪れているほか、地域の子どもたち向けの見学説明会なども行っている。

「赤星直忠博士文化財資料館」。建設会社の入り口に掲げられたプレートが目を引く。同市長坂の宇内建設3階。最上階の全フロアを使い、5千点以上の遺物を展示している。

縄文時代の土器や釣り針、弥生時代に占いで使用された卜骨(ぼっこつ)や、アワビの貝包丁、古墳時代の人物埴輪(はにわ)や古代の装飾品…。先人の暮らしぶりを思い起こさせる遺物の数々は、赤星さんや同社の宇内正城社長(53)が三浦半島を中心とする県内の洞穴や遺跡で発掘してきたものだ。

資料館設立の中心メンバーだった宇内社長は、赤星さんの影響を受けて考古学の魅力にとりつかれた一人。同じく考古学愛好家の父、城一さん(75)と赤星さんが知り合いだった縁で、小学生のころから地元の長坂や佐島の丘、市内各地の畑を赤星さんと歩いては、遺物採集の楽しさを教わった。

「発掘は一言で表現するとロマン。その場所で当時を生きた人たちの姿を想像するだけでわくわくする」。宇内社長に限らず、横須賀考古学会を主宰し遺物の発掘調査に生涯携わった赤星さんから教えを受けた会員は少なくない。宇内社長によると、「時間が足りない」が口癖だった赤星さんは88歳で亡くなる直前まで研究に没頭、残した文献資料は500編以上になるという。

「赤星さんが残した資料と遺物の数々を大切に保管し、地域で共有しながら研究を引き継いでいきたい」。資料館の設立には、文化財の保存に力を尽くし啓発活動にも取り組んだ赤星さんの遺志を引き継ごうとする教え子たちの思いが込められている。

資料館は同社の営業時間内なら自由に閲覧可能。毎週水曜日の午後には考古学研究者が集まり勉強会を開く。宇内社長は「赤星先生の望み通り、多くの人に古代の魅力に触れてもらえたらうれしい。ぜひ気軽に立ち寄ってください」と来館を呼び掛けている。

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