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470人の「最期」を詳述爆死や傷害死も
県警資料にみる横浜大空襲 無差別爆撃 すさまじく

社会 神奈川新聞  2017年06月08日 10:22

「伊勢佐木警察署検視調書」の表を示す羽田さん=横浜市史資料室
「伊勢佐木警察署検視調書」の表を示す羽田さん=横浜市史資料室

 大量の焼夷(しょうい)弾による無差別爆撃にさらされた横浜大空襲。命を奪われた市民たちの最期を知る手掛かりとなる県警資料の一部が、70年余を経てこのほど公開された。亡くなった一人一人の死因とその状況が詳しく記されている。主な死因は焼死や窒息死、溺死だが、本来は攻撃対象を焼き払うための焼夷弾の直撃による爆死や傷害死が複数いたことが判明。すさまじい空襲の実相が生々しく浮かび上がる。 

原本


 この資料は「伊勢佐木警察署 昭和20年5月29日空襲 変死者検視調書」。空襲で亡くなった人たちの遺体を中区の一部を所轄する同署が検視をして遺族らに引き渡す際に作成した書類の原本のつづりだ。

 所蔵する横浜市史資料室・主任調査研究員の羽田博昭さん(59)によると、調書は「横浜・中区史」(中区制50周年記念事業実行委員会、1985年)が死者数や年齢、死亡場所などを表にして掲載した後、編集資料として引き継いだ。調書は71年ごろに発見されたというが、見つかった経緯は不明という。

 個人情報に関わる内容のため長らく一般公開してこなかったが、人名や地番など一部を除き、死因や変死の日時、場所などを表形式にして公開した。羽田さんによると、他の空襲被害でもこうした資料が残されているケースは少なく、「ここまで詳細なのは珍しい。空襲の具体的な様相を伝え、貴重だ」という。

 調書に記されていた死者数は471人(うち身元不明は47人)。重複を含めて計474人で、性別不明7人を除くと男性が180人、女性287人と圧倒的に女性が多く、年齢別では10歳以下が91人と2割近い。羽田さんは「男性が不在で母親と子ども、祖父母の家族が被災して多くが犠牲となった」とみる。

死因



 死因を見ると、焼死が圧倒的に多く351人、窒息死67人、溺死・水死21人と続く。遺体の損傷がひどい19人の死因は不明とされた。

 亡くなった際の状況も克明に記されている。後頭部に長髪が残っていたことから女性とみられた上半身黒焦げの遺体は「焼崩れの下より発見」された。他にも「焼トタン下敷となり焼死」(31歳女)、

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