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大幅回復した箱根の観光客数 五輪視野に再開発の動き活発

話題 神奈川新聞  2017年06月03日 02:00

改修しベッド付きの和室となった旅館「箱根湯の花プリンスホテル」の客室=箱根町芦之湯
改修しベッド付きの和室となった旅館「箱根湯の花プリンスホテル」の客室=箱根町芦之湯

 2年続けて観光客が2千万人割れした箱根町だが、温泉の街は今、宿泊施設の開業やリニューアルなど再開発に沸き立っている。富裕層を狙った高級志向の宿が増える一方、外国人観光客らに人気のゲストハウスもお目見え。2020年東京五輪も視野に入れて多様化が進み、同町は「再開発により施設がニーズに見合ったものになる」と期待している。
 

中高年層を狙う


 全客室に露天風呂を備え、眼下には明神ケ岳など箱根の新緑が広がる。ロビーの照明や装飾などが高級感を引き立たせ、滞在中はエステも楽しめる。

 ことし4月、箱根小涌園(二ノ平)に開業した宿泊施設「天悠」(全150客室)。1泊は2万8千円からと、国内外から余裕のある中高年層などの取り込みを狙う。

 長く同園の「顔」として多様な客層を受け入れてきた「箱根ホテル小涌園」は来年1月、60年近くの歴史に幕を閉じる。運営する藤田観光(東京都文京区)によると、今後は天悠が同園の旗艦施設となり、離れタイプの高級宿泊施設も園内に開業予定という。

 このほか、KANAYA RESORTS(東京都渋谷区)は今秋、仙石原にホテル「KANAYA RESORT HAKONE」を開業予定。1泊4万円弱からで、約2万平方メートルの敷地にある全14客室に露天風呂が付く。

 また、オリックス不動産(東京都港区)は8月に旅館「箱根・芦ノ湖 はなをり」を開業する。1泊約1万5千円からで、ファミリー層に照準を絞っている。
 

外国人引き込み


 一方、増え続ける外国人観光客を引き込もうという動きも出ている。

 強羅にある古旅館を改装し、2014年6月から営業する「温泉ゲストハウスHAKONE TENT」は、素泊まり1泊3500円からの価格が好評だ。宿泊客の8割が外国人。担当者は「海外には多いゲストハウスが、箱根にはほぼなかった。旅が安く気軽にできるようになれば」と話す。

 客層がアジアの団体から欧州の個人に変わってきているのを受け、プリンスホテル(東京都豊島区)はことし、箱根にある3施設を改修。ベッド付き和室を設け、外国人がインターネットでの検索時に分かりやすいように、15年には名称に「芦ノ湖」「仙石原」といった地名を入れた施設もあるという。
 

日帰りを宿泊へ


 老朽化による休館・閉館も相次ぐが、ここ最近の建設ラッシュに、町観光課は「(1年間の開業数としては)これまでの倍という感覚。五輪を見据えての動きという面もあると思う」と分析。高級志向の高まりについては「国立公園がある土地柄、開発が難しく、収容人数が大きいものは建てづらい。お金を落としてもらうため単価を上げているのでは」と話す。

 経済効果が大きい宿泊客は全体の約2割と横ばいが続く。箱根小涌園の担当者は「都内からのアクセスが良いことから日帰り客が多くなるのは当然だが、宿泊比率を高めなければ観光地は活性化しない。日帰りでは感じられない、宿泊してこその魅力を発信したい」と鼻息が荒い。


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