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障害児の親が組合方式のデイサービス施設開設/藤沢

社会 神奈川新聞  2010年07月04日 10:45

障害児の親が出資して6月に開所した「ふじさわ地域福祉事業所児童デイサービスたんぽぽ」=藤沢市本藤沢6丁目
障害児の親が出資して6月に開所した「ふじさわ地域福祉事業所児童デイサービスたんぽぽ」=藤沢市本藤沢6丁目

障害児の親たちが出資した児童デイサービス施設が藤沢市に開所した。親たちがスタッフとして働くことで地域密着のサービスを提供する「労働者協同組合(ワーカーズコープ)」という運営方式が特徴。医療行為が生活上、必要な重度障害児を受け入れる施設を親たちが立ち上げた事例は全国でも珍しいという。

開所したのは「ふじさわ地域福祉事業所児童デイサービスたんぽぽ」(藤沢市本藤沢6丁目)。昨年9月から開設準備を進めた飯田英子さん(37)は「医療的ケアが必要な障害児は市内の児童デイサービスの利用を断られる。行政や病院に施設の必要性を訴えても開設や運営が難しいと言われ続けた」と開設を目指した理由を話す。

3姉妹の次女歩実さんに脳性麻痺(まひ)の障害があった。「3人の子育て中に1人だけに手を掛けられず、心身ともに疲れ切っていた。家族全員のために児童デイサービスが必要だった」と振り返る。6月1日の開所以来、スタッフとして働く。

●新たな居場所に

たんぽぽは市内に暮らす小学生から高校生までの肢体不自由児や医療的ケアが必要な児童が対象。これまでに16人が登録。日に3~5人が訪れ、下校時から午後4時半まで送迎付きで放課後を過ごす。

7人のスタッフを束ねる会田真司所長(51)は「家庭と学校、そして病院を往復する障害児の新たな居場所となりつつある。夏休みも児童を受け入れて家族の生活を支えたい」と強調する。

●早期の法制化を

労働者協同組合は市民が出資するとともに就労し、経営にも参画する協同組合。国内では法人格がないため、たんぽぽは実際にはNPO法人「ワーカーズコープ」が運営を担っている。

寄付や助成金に頼るため経営基盤が安定しないのが課題という。同法人を設立した「日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会センター事業団」は、労働者協同組合に法人格を付与する協同組合法の早期制定を訴える。経営基盤が安定することで活動の幅が広がることも期待している。

「歩実は開設を待たず、昨年8月に14歳で亡くなった。外出が好きだった娘の思いを継いでいきたい」と話す飯田さん。5日午後6時から日比谷公会堂(東京都千代田区)で開かれる市民集会で、たんぽぽ開設を報告することにしている。

◆労働者協同組合 新しい公共の担い手や地域活性化、就労機会の創出につながるとして、2008年2月に超党派の「協同出資・協同経営で働く協同組合法を考える議員連盟」(坂口力会長)が発足。日本労働者協同組合連合会センター事業団によると、早期制定を求める意見書を決議したのは全国792議会に上る。県内自治体は県と横浜、川崎、相模原、藤沢市など25市町村。

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