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気象庁にリスク評価組織を 南海トラフ予測情報で政府作業部会

社会 神奈川新聞  2017年05月27日 11:59

南海トラフ地震の想定震源域
南海トラフ地震の想定震源域

 大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づく東海地震予知の見直しを検討している政府・中央防災会議の作業部会は26日、より広範な南海トラフの巨大地震を対象とした新たな予測情報のあり方について議論した。同トラフ沿いで一定規模以上の地震や異常な現象が起きた場合に備え、その後のリスクを見極める有識者組織を気象庁に設置しておく必要があるとの認識でおおむね一致した。

 昨年9月に検討を開始した作業部会の会合は、この日が5回目。静岡以西の海底に延びる南海トラフ全域を対象とした予測情報が検討されているのは、同トラフの一部にすぎない静岡・駿河湾周辺で異常な地殻変動が検知された場合にのみ首相が警戒宣言を発表して各種の規制を実行する東海地震の予知が実現性に乏しく、実態に見合っていないためだ。

 現行の東海地震予知の枠組みでは、地震学者ら6人が委員の「判定会」が気象庁に置かれているが、南海トラフの西側は対象外。このため作業部会では、そうした領域で何らかの異常が観測された場合に緊急的な分析や情報発信を行うのが現状では困難なため、判定会のような有識者組織が必要との意見が相次いで示された。

 委員の岩田孝仁・静岡大教授は「24時間体制で観測をしている気象庁に一元化すべきだ」と提案。文部科学省が事務局の地震調査委員会も地震活動を評価・分析し、注意喚起を行っているが、田中淳・東大教授は「地震調査委はもう少し長期の評価であり、(緊急的な分析を担うのは)少し厳しいのではないか」との見方を示した。


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