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都会の若者らが休耕田利用し造った日本酒が完成/大井町

社会 神奈川新聞  2010年03月23日 01:08

「僕らの酒」の完成を喜ぶメンバー=大井町上大井の井上酒造
「僕らの酒」の完成を喜ぶメンバー=大井町上大井の井上酒造

荒れた田んぼを耕し育てた米で造った日本酒「僕らの酒」が出来上がった。NPO法人「西湘をあそぶ会」(大磯町)が昨春に企画、都会の若者を中心に総勢120人が汗水を流した。「無農薬、無肥料、天日干し」のこだわり。若者たちは1年間、愛情を注いできた「結晶」に酔いしれた。

「身近な田舎暮らし」の魅力を発信するあそぶ会が、大井町山田地区で10年以上放置されていた棚田3反(約3千平方メートル)を借りたのが昨春。地元農家の指導を受けながら、あぜづくりや田植えなど、農に関心を持つ仲間と一緒に取り組んできた。「最初からうまくできるの、と懸念する声もあった」と代表の原大祐さん(32)は振り返るが、昨年秋には無事、8俵(480キロ)分の実りを手にした。

自然栽培にこだわった米で酒造りを引き受けたのが、創業220年を誇る老舗、井上酒造(大井町)。「酒は磨くほどにうまい」と言われる中で、米を削る割合がわずか10%という珍しい方法を採用した。7代目の井上倉米衞さん(60)は「米が小さめだから、あえてあまり削らなかったが、意外なほどに香りも味も良い。精米技術の発達していない江戸時代のころはこんな素朴な純米酒だったのかも」と評する。今年は800本(720ミリリットル入り)が完成。13日にはメンバーが蔵元に集まり、予約分を購入。瓶に「僕らの酒」のラベルを張って、世界でただ一つの“美酒”を堪能した。

同会はこの春から第2弾を開始。井上さんは今後もより良い酒造りで協力し、地場米の新ブランドに成長させたいという。原さんは「都会の若者が農業を楽しみながら、地元農家や酒蔵にもプラスになる。そんなモデルを示せれば」と話している。

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