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性的少数者の就労(下) 支援の動き、継続を

社会 神奈川新聞  2017年05月21日 12:14


性的少数者向け就活セミナーで「自分が本当に何がしたいのかを考えよう」と話す薬師さん=昨年2月、横浜市
性的少数者向け就活セミナーで「自分が本当に何がしたいのかを考えよう」と話す薬師さん=昨年2月、横浜市

 「お帰りください」。女性として生まれ、男性として生きるFTM(Female To Male)トランスジェンダーの薬師実芳(みか)さん(27)=NPO法人ReBit代表理事=は、耳を疑った。面接で「性同一性障害で」と言った途端、冷たく放たれたその一言に、ぼうぜんとしながら帰路に就いた。

 約50の企業を受け、全社に自身がトランスジェンダーであることを打ち明けた。「あなたの能力で選ぶから性別は関係ないよ」と言う企業もあれば、「体はどうなってるんだ。子どもは産めるのか」とセクハラ発言が平然と飛ぶこともあった。

 就活生の中にも一定数の性的少数者がいることへの無理解ゆえ、繰り出される不用意な言動。それは多くの当事者の自尊心を傷つける。一連の面接でのやりとりは「職場での理解が重要だと強く感じた原体験」として、薬師さんの記憶に深く刻まれている。

乖 離


 川崎の小学校に通った4年生のころ、「女の子らしくしなさい」と言われるたびに抵抗を覚え、自身の性別に違和感を抱き始めた。6年の時にドラマ「金八先生」で性同一性障害という言葉を知り、自分も「これだ」と思った。インターネットで検索してみると、目に飛び込んでくるのは「働けない」などマイナスな情報ばかりだった。「女の子らしくしていたらいつか心も女性になるかもしれない」。スカートを短くし、ロングヘアーにはパーマを当てた。だが、本来の自分との乖離(かいり)に気づき、苦しんだ。

 誰にも相談できず毎晩泣き明かした。自殺未遂を経て、初めてカミングアウトをしたのが高校2年の時。

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