1. ホーム
  2. 「ドリル魂」横内謙介作・演出/26日から神奈川県立青少年センター

「ドリル魂」横内謙介作・演出/26日から神奈川県立青少年センター

神奈川新聞  2010年02月23日 16:26

ニッカーボッカー姿の労働者たちがツルハシやドリルを手に歌い、踊り回る-。建設現場を題材にした劇団「扉座」のミュージカル「ドリル魂-YOKOHAMAガチンコ編-」が26~28日の3日間、県立青少年センター(横浜市西区)で上演される。作・演出を手がける演出家の横内謙介=県立厚木高校出身=は「体を使って現状を打破していく物語。閉塞(へいそく)した世の中を励ましたい」と熱い。

■働く意味問う

横浜公演は昨年に続き2回目。架空の建設会社「轟組」をめぐる作業員たちの葛藤(かっとう)、奮闘が描かれる。本物の削岩機やハンマーを操る作業服姿の出演者たち。溶接の火花や鉄筋の金属音といった「現場」独特の躍動感を、エンターテインメントに昇華させた。

昨年に続き出演するAKB48(仲川遥香、平嶋夏海、菊地あやか、岩佐美咲)の演技も見どころだ。アイドルではなく、俳優として「細かく芝居を付ける」と話す横内。前回公演を見たAKBの“追っかけ”が「扉座」のファンにもなった、という相乗効果も。「この公演を演劇への入り口にしたい」と意気込む。

「現場」は舞台であり人生である-と、横内は考える。「人々の動きはリズミカルでパフォーマンスのように見えるし、『土台作り』『骨が足りない』などの用語は人間や社会を表すメタファー(暗喩(あんゆ))だ」

汗まみれになって作業に没頭する登場人物たちは、働くことの意味を見る者に問いかける。「派遣切りが問題になったように、(初演した)3年ほど前と比べて一層切実なテーマになっている」

■演劇への「扉」

会場の県立青少年センターは、横内の原点でもある。約30年前の高校時代、つかこうへいの「熱海殺人事件」を同センターで見たことが、演劇への扉を開いたのだ。そのときの料金は、財布に優しい500円。さらに、一線の演劇人による高校生向けの講座もあった。「理想の形だった」

横内も今回、中高生のための演劇ワークショップを開いた。約30人の参加者に「ドリル魂」の一場面を演じさせ、アドバイスを飛ばす。「せりふだけが芝居じゃないぞ」「表情や目の動きでも表現しよう」…。

学校の演劇部もプロの劇団も、やっていることは同じ。それを実感させるのが目的だったという。「プロだからといって、魔法があるわけではない。ただ、大の大人が芝居のことを考え続ける姿勢、迫力は伝えたいんです」と横内。

「ドリル魂」は単なる公演ではない。30年前の熱気を青少年センターに取り戻すための、横内の挑戦でもある。「(動きは)膨らみつつあります。この劇場を使い尽くしたい。だから、青少年センターに頼まれた仕事はすべて受けますよ」。そう言って笑った。

神奈川新聞社などでつくるアーツ・フュージョン開催実行委員会と、県の主催。開演は、26日は午後6時半、27日は午後1時と6時、28日は午後2時。前売りは一般3千円、高校生以下など1500円。問い合わせは、劇団扉座電話03(3221)0530。

【】


シェアする