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日本画家・平山郁夫さんが死去/鎌倉在住

社会 神奈川新聞  2009年12月03日 00:05

仏教やシルクロードをテーマにした多くの作品で知られ、文化財保護活動にも力を注いだ鎌倉市在住の日本画家で文化勲章受章者の平山郁夫(ひらやま・いくお)さんが2日午後0時38分、脳梗塞(こうそく)のため、東京都中央区の病院で死去した。79歳だった。自宅は鎌倉市二階堂。葬儀は親族のみで行い、後日お別れの会を開く。喪主は未定。

平山さんは1930年広島県生まれ。東京美術学校(現・東京芸術大学)卒。同校で安田靫彦、小林古径に師事し、卒業後は東京芸大副手となって前田青邨に学んだ。53年、「家路」が第38回院展に初入選。平和への思いを込め、59年に玄奘(げんじょう)三蔵の姿を描いた「仏教伝来」で注目を集めた。

シルクロードの取材などを通じて独自の作風を確立、「仏教と日本」や「文化と人間の関係」をテーマに描いた。広大な砂漠を行くラクダの隊列や、かつて栄華を誇り、今は廃虚となったシリアの遺跡など、文明とは何かを問いかけるような作品が少なくない。また、日本の山河や京都、出雲などの風景も多く手がけた。

その一方、文化財保護にも尽力した。世界各地で危機にひんしている文化財、遺跡の保存・修復を目的とした「文化財赤十字」運動を提唱。その資金を集めるための展覧会も開催した。

88年には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)親善大使に任命された。中国の敦煌や北朝鮮の高句麗壁画などの保存を訴え、中国などとの文化外交にも貢献した。92年から日中友好協会会長を務め、名誉会長に。また、かながわ国際交流財団会長や、県立近代美術館運営委員なども務め、県内の文化振興にも力を尽くした。

98年文化勲章。92年に神奈川文化賞を受賞。母校である東京芸大の学長を2度務めたほか、日本美術院理事長などを歴任した。鎌倉市名誉市民。

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