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〈時代の正体〉「差別が悲劇繰り返す」 横浜平楽中で朝鮮人虐殺の歴史学ぶ

時代の正体 神奈川新聞  2017年05月11日 02:00

悲惨な史実から異文化理解の大切さを説く後藤さん(右)=横浜市立平楽中学校
悲惨な史実から異文化理解の大切さを説く後藤さん(右)=横浜市立平楽中学校

【時代の正体取材班=石橋 学】横浜市南区の市立平楽中学校で10日、国際平和をテーマにした授業が行われ、同校周辺が現場にもなった関東大震災における朝鮮人虐殺の歴史を学んだ。同校が18年前から取り組む「国際学習」の一環。元市立中学校社会科教員の後藤周さんが講師に招かれた。

 後藤さんは「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という流言が引き金になった凶行の実相に迫ろうと研究を続けている。この日は当時の小学生が虐殺の様子を淡々とつづった「震災作文」が読み上げられ、体育館に集まった全校生徒は94年前の惨劇に思いをはせた。

 後藤さんは、出稼ぎに海を渡った朝鮮人労働者への無知、無関心が差別意識を生み、デマを信じさせたと解説する一方、地域には少数ながら朝鮮人をかくまった人たちもいたことを紹介。「仕事を通じ、自分たちと同じ人間だと知っていた人たちはデマを信じなかった。いまも大きな災害が起きるとデマを飛ばす人がいる。異なる文化を持つ人を仲間ではないからどんな目に遭っても構わないと思う差別が広がれば、最悪の事態は繰り返される」と説いた。

 中川豊弘校長は「子どもたちは地域で起きた歴史を知る必要がある。中国など外国にルーツを持つ生徒が増える中、日々の接し方がいかに大事かが理解できたのではないか」と振り返っていた。


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