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「横浜ビール」 水で絆、次代へ脈々  山梨・道志の学校に機材寄贈

社会 神奈川新聞  2017年05月03日 11:25

寄贈を受けて喜ぶ小中学生と、横浜ビールや学校の関係者ら。後列右から3人目が中嶌さん =4月25日、山梨県道志村
寄贈を受けて喜ぶ小中学生と、横浜ビールや学校の関係者ら。後列右から3人目が中嶌さん =4月25日、山梨県道志村

 横浜の水源地・山梨県道志村の湧き水を使った地ビールを製造する横浜ビール(横浜市中区)。商品化と販路拡大の陰に、村で3年間暮らし昨年4月に入社した中嶌拓哉さん(26)=同市保土ケ谷区=の奔走があった。売り上げから購入した教育機材を村の小中学校に寄贈。水を通じた横浜と道志の絆はより一層強まった。

 「横浜ビール 道志の湧水仕込」は昨年10月下旬に販売を始めた。市が道志水源林を取得して1世紀を迎えた節目の年。良質な水を供給し続ける村に感謝を伝えようと、売り上げの一部を村の将来を担う子どもたちに役立てることにした。

 村の人口は1800人弱。小中学校はそれぞれ1校で、児童・生徒数は計111人。情報通信技術(ICT)の教育に力を入れており、小学校には児童や村の様子を紹介するためのデジタルビデオカメラ、中学校には生徒のタブレット端末に絵や書などを表示できる書画カメラ(実物投映機)を贈った。

 ICTを使った横浜と道志の子どもたちの交流も期待できる。先月下旬の贈呈式に立ち会った中嶌さんは、顔なじみの子たちの満面の笑みを見て、感慨がこみ上げた。「お世話になった村に、やっと恩返しができた。横浜にいても、村の人たちのためにできることがあるんだと実感した」

 山梨県韮崎市出身の中嶌さんは道志村で2013年度から3年間、新たな担い手を受け入れて地域社会の振興を図る「地域おこし協力隊」に参加。過疎と高齢化が進み荒廃が進んだ田畑を借りて耕し、村の人たちと交流を楽しんできた。

 横浜ビール社長の太田久士さんと出会い、入社後に任された仕事は、道志の水を使ったビール開発プロジェクト。村内のミネラルウオーター工場を紹介したほか、「湧水仕込」とは別に、村で生産過剰となっていたユズを使う商品を提案し、実現させた。また、営業活動に励み、市内の飲食店や横浜港の屋形船のほか、百貨店や酒店などに販路を拡大した。休日には村に戻り、農作業や井戸端会議を楽しむ時間が原動力だ。

 中嶌さんが伝えたい思いがある。「水源地・道志とビール発祥の地・横浜。横浜ビールを通じてボトルに込められた絆のストーリーを味わってほしい」


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