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明治初期 県警初の殉職警官しのぶ、関係者ら慰霊祭/伊勢原

社会 神奈川新聞  2013年11月19日 22:28

明治初期、立てこもる暴漢に立ち向かい、事件による県警初の殉職者となった警察官・祝井(いわい)盛武三等巡査をしのぶ慰霊祭が19日、現場となった伊勢原市上粕屋の旅籠(はたご)屋跡で行われた。命日に合わせた供養で、伊勢原署や地元関係者ら約20人が参列。28歳の若さで命を落とした故人の勇気をたたえるとともに、市民生活を脅かす犯罪の根絶を誓った。

同署によると、事件が起きたのは1877(明治10)年11月。小田原警察署伊勢原分署(当時)に勤務していた祝井巡査は、非番で就寝中だったが同僚に起こされ、大山街道の旅籠屋「紙屋」でのトラブル現場に急行した。

離れに下宿する元浪人の男が紙屋の娘に結婚を申し込んだものの、断られたため逆上。日本刀で家人を脅迫監禁していた。素手で男の手元に飛び込んだ祝井巡査は、日本刀を取り上げた際に左胸を刺された。

それでも男を制圧しようと男の腹にまたがったところ、男は懐に隠し持っていた短刀で祝井巡査の腹を刺すなどして逃走。巡査は男を追って屋外によろめき出たところで倒れ込み、力尽きた。男は数日後、厚木市内で逮捕されたという。

紙屋は1923年の関東大震災直後に廃業したものの、事件当時の主人・鵜川久兵衛の子孫が、巡査の恩を忘れまいと90年以上にわたって供養を続けている。

慰霊祭では、伊勢原署の荒牧康和署長のほか、若手署員らが慰霊碑前で焼香。荒牧署長はあいさつで「われわれ署員は、祝井巡査の正義感、勇気、使命感をしっかりと記憶にとどめ、脈々と言い伝え、熱い心で市民あっての警察であり続ける。殉職事案は絶対にあってはならず、受傷事故防止の徹底も図りたい」と述べた。

久兵衛の4代目子孫で医師の鵜川四郎さん(82)は「母から『祝井巡査のおかげで今があるんだよ』と、よく言い聞かされていた。感謝の気持ちを今後も引き継いでいきたい」と話していた。

祝井巡査は鹿児島出身で無縁仏となったが、同郷だった教善寺(平塚市)の住職が引き取り墓碑を建立。県警察学校(横浜市栄区)にも招魂碑がある。

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