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横須賀・久里浜で手打ちの店開く
うどんで障壁越える 自閉症の男性と家族

話題 神奈川新聞  2017年04月25日 10:08

真剣な表情でうどんをこねる村木静さん
真剣な表情でうどんをこねる村木静さん

 自閉症の男性と家族が、手打ちうどんを提供する飲食店を横須賀市久里浜にオープンした。特別支援学校卒業後、就職先を見つけるのが難しかった息子に、大好きなうどん作りを通して働く楽しさや厳しさを知ってもらおうと両親が開店。「重度の知的障害があっても特性に合わせて商品を作って働ける場所があると、社会に一石を投じられれば」との願いが込められている。

 同市鴨居の村木静さん(19)は県立岩戸養護学校(同市岩戸)出身。在学中に両親や同級生と一緒にダンスやごみ拾いなどさまざまな課外活動を経験し、中でもうどん作りがお気に入りだった。父の前田豊さん(42)と母の村木雅美さん(50)は「飽きずに続け、本人が生き生きしていた」と振り返る。

 静さんは昨年、同校を卒業。福祉施設などで実習をしたが、障害の特性と作業が合わなかったり、重度の知的障害のため1人で通うことが難しかったりして就職先を見つけることが難しかった。

 もともと、いつか家族で店を経営したいという夢があった両親。物件を探し、昨年12月に「うどんカフェうせい」をオープンした。

 「静がここにいることを地域に知ってほしい」と、うどんを打つ台をガラス張りで外から見える場所に設置。静さんが慣れた手つきで黙々とこねる姿を、店舗前を通る下校中の小学生がじっと見つめることもある。常連客も生まれ、静さんは「うどんは好き」とほほ笑む。

 メニューは、もっちりした食感が特徴のうどんが中心。かけうどんが400円(税込み)などと手ごろな価格設定だ。手作りの箸袋には「どうぞごゆっくり」など静さんの直筆メッセージが添えられている。

 豊さんと雅美さんは「『障害者が作っているから買う』ではなく、市場に認めてもらえる商品を作り、障害を超えられることを社会に示すのが大きな夢」と話している。日曜定休。問い合わせは同店電話046(854)5388。


手打ちうどん店をオープンした村木さん(中央)と両親 =横須賀市久里浜
手打ちうどん店をオープンした村木さん(中央)と両親 =横須賀市久里浜

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