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障害者に自活の道 出荷から販売担当し収入増の新ビジネス/横浜

経済 神奈川新聞  2013年08月11日 20:34

介護施設に初めて製品を納めた(右から)川延さん、手島さん、笠原さん=横浜市旭区の特別養護老人ホーム「水の郷」
介護施設に初めて製品を納めた(右から)川延さん、手島さん、笠原さん=横浜市旭区の特別養護老人ホーム「水の郷」

製品の出荷から販売までを障害者に任せ、障害者の収入アップにつなげようという試みが横浜市内で始まっている。口腔(こうくう)ケア製品を開発した市内の企業が、就労の機会が限られる障害者の自活に道を開く仕組みを、と考案した。軌道に乗れば、新たなビジネスモデルとして全国に広げていきたい考えだ。

横浜市旭区の障害者就労施設で働く笠原国治さん(34)と川延樹子さん(19)が6日、区内の特別養護老人ホーム「水の郷」を訪れた。新製品「オーラルピース」の歯磨きジェルとマウススプレー各12本を納品するためだ。

メーカーの「トライフ」(同市青葉区)が九州大学などの研究グループと共同開発した、飲み込んでも無害な口腔抗菌剤。うがいのできない人でも安心して使うことができ、高齢者介護施設や重度障害者施設向けに7月下旬から販売を始めた。

出荷や納品、販売などの業務を任されているのが障害者の就労施設だ。東京都内の施設が出荷作業を担い、横浜市内の6カ所を含む全国13カ所の施設が、施設内などでの販売や介護施設への納品を担当する。

自社製品の販売を通じ、障害者の仕事創出を着想したトライフの手島大輔社長(43)は、長男(12)が生まれつき半身まひなどの障害がある。「親亡き後、障害のある子が暮らしていけるのかが最大の不安。障害者が自活できる仕組みをつくらなければ」との思いが、事業に結び付いたという。

当面は一般の商店などとの直接取引は行わず、就労モデルの確立に力をそそぐ。今後はトライフが販売先の開拓や営業支援を行いながら事業の拡大を図り、将来的には原料の大豆やハーブの生産など、障害者に委託する仕事を増やす構想もある。

ジェルとスプレーはいずれも1本千円で、1本当たり350円の利益が障害者施設に入る仕組みもオープンにしている。「頑張って売れば収入が上がるという達成感も味わってもらいたい」と手島さん。

納品作業を行った川延さんは、授産施設で毎日クリーニングの仕事をしているが、月収は1万2千円程度という。「新しい仕事で収入が増えたら、将来は一人暮らしもしてみたい」と期待を膨らませていた。

歯磨きジェルは75ミリリットル、マウススプレーは30ミリリットル。問い合わせは、トライフ電話045(974)0674。

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