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【連載】湘南密着24時(上)~海水浴場にタトゥー客が急増

社会 神奈川新聞  2013年07月25日 00:17

大音量でダンスミュージックが流され、薄暗闇の中でミラーボールが回転し、カラフルなスポット照明が勢いよく駆け巡る。若い男女が水着姿で密集し、重低音に合わせて体を揺らしていた。由比ガ浜海水浴場(鎌倉市)に今夏オープンした海の家だ。

店の周辺には、酒に酔った男女が立ち並び、入れ墨やタトゥーを露出させた姿も少なくない。

入り口で店員に料金を聞いた。「男も女も3千円。ドリンクはあっちで別料金」。建物の外に隣接したバーカウンターを指した。少し離れたところでは、屈強な体の男たち7~8人が赤ら顔で互いに言い争いをしていた。

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「クラブイベントの開催を一切中止します」。シーズン中にもかかわらず、由比ガ浜海水浴場が、大きく舵を切った。

「風紀が乱れる、ということ」。言葉を選びながら話すのは、同海水浴場の海の家経営者らで構成する「由比ガ浜茶亭組合」の増田元秀組合長だ。

西に数キロ離れた藤沢市の片瀬海岸西浜海水浴場では海の家の「クラブ化」が問題視され、今春早々に「音楽全面禁止」の自主規制を決めた。海の家の許認可権を持つ県も各海水浴場へ「クラブ形態の海の家を認めない」などとした、異例の要請を出していた。

由比ガ浜の組合側は、西浜からあふれてくる客による変化をある程度覚悟していたが、予想をはるかに超えていた。「昨年、一昨年とは状況が全く違う」と増田組合長。今夏から由比ガ浜茶亭組合は「タトゥー露出客の入店拒否」を導入し、客に服を着るよう求めている。しかし、タトゥーを露出させた客は急増し、店前でたむろするなどビーチの雰囲気が一変した。

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同じく鎌倉市内の腰越海水浴場でも、クラブイベントが開催されていた。午後9時までの営業。日が暮れてからクライマックスを迎える。暗闇をカラフルなライトが照らす。水着姿の男女が体をよじるように踊り、重低音のリズムに合わせ盛り上がる。片隅には泥酔し、倒れ込む女性のビキニ姿があった。

そもそも規制するクラブイベントとは何か。由比ガ浜の茶亭組合側にも明確な定義はなく、実際の判断は難しそうだ。「風紀を守る」という目標も人によって感じ方に差がある。増田組合長は「正直、切り分けは難しいかもしれない。しかしこのまま放置してはエスカレートしてしまう。当日、クラブ化していれば、即刻中止もありうる。それは『組合基準』でやる」と、個別に柔軟な対応をしていく考えだ。

一方、「音楽全面禁止」となった西浜の新井進専務理事(江の島海水浴場協同組合)は夜のパトロールを終え、静かなビーチを満足げに見渡していた。

「これからが正念場なんだよ。8月31日までしっかり見届けたい」

始まったばかりの湘南の夏に異変が起きている。現場を歩いた。

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