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猿島の巨石崩落、復元は当面見送り 安全対策を優先/横須賀市

社会 神奈川新聞  2013年07月16日 22:39

崩落した巨石。明治期の軍事要塞の一部だった=猿島
崩落した巨石。明治期の軍事要塞の一部だった=猿島

横須賀市の無人島・猿島の軍事要塞(ようさい)遺構の一部だった巨石が6月末に通路に落ちたが、市は重機類が崩落現場に入らないとして当面の復元を見送ることにした。ただ、現場は観光客の往来が多いルート上で、同じような崩落を防止する安全対策が急務であるため、島内の危険箇所の調査に乗り出す。

市によると、6月27日午前、カラスザンショウ(幹直径約40センチ、樹高10メートル余)が根こそぎ倒れ、路上に巨石とともに落ちているのを管理者が見つけた。石は直径1・5メートルほど。明治時代半ばの貴重な石造構造物で、弾薬庫から第一砲台に弾薬を持ち上げる「鶴頸揚弾機(つるくびようだんき)」の一部。前日からの強風で定期船は欠航していたため、人への被害はなかった。

現場の状況から、強風でカラスザンショウが倒木した際、根に絡まっていた巨石も一緒に崩落したものとみられる。現在、巨石の周りは柵で囲っており、観光客は周辺の路上を歩くことができる。

遺跡を管理する市教育委員会生涯学習課は「遺跡復元は人力では無理。クレーン車などの使用が必要だが、解体しなければ重機を現場に運べない」と判断。総合的な要塞遺構の保全策を図るまで当面は崩落した巨石をそのまま残しておく考えだ。同課は、同じような崩落を防ぐため、遺跡に根が絡みつく樹木は島の希少な固有種でない限り伐採が必要という。

一方で、島の自然環境を管理する市緑地管理課は「手つかずの自然が残る島。危険だからすぐに全部伐採とはいかない」と慎重な姿勢だ。まずは観光客などの安全対策を優先し、根が石積みやれんが構造物などに絡んで露呈した危険箇所を調査し、必要に応じて注意を促す看板を設置する方針だ。

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