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ドングリ料理のレストラン「障害者の働ける場を」/横浜

社会 神奈川新聞  2013年06月13日 17:09

「障害者の働ける場をつくりたい」と奮闘するプロダンサーと、「ドングリを食材として広めたい」と情熱を持つ83歳のおじいちゃん。2人が異色のコラボを組んで、そのレストランは誕生した。メニューの考案には学生たちも加わり、働く障害者との交流も生まれている。

株式会社「まちふく」(横浜市旭区中希望が丘)は、1階がドングリ料理のレストランで2階が福祉作業所。相鉄線三ツ境駅から徒歩2分のところにあり、ランチタイムは女性客らでにぎわう。ドングリ粉を使ったパスタやピザなどが人気メニューだ。

社長の田中博士さん(46)は、ストリートダンスチームで踊るプロのダンサー。数年前まではバーの店長なども務めていた。

障害者をディスコパーティーに招待する支援事業に携わる中で、彼らの素直な感情表現に心を打たれたという。同時に、就職先が少ないなど社会での生きづらさも知る。「何かできることはないか」

一方、平賀国雄さん(83)は自他ともに認めるドングリ通。40代から無農薬野菜などに入れ込み、独学でドングリを研究。食用としてのドングリを開拓したとして、“大衆のノーベル賞”と称される東久邇宮記念賞を受賞した。「特にマテバシイという種類はえぐ味がなく、ビタミンCはレモンより豊富なんです」と力説する平賀さん。身近にあるドングリで食料自給率のアップを、と描いていた。

知人を通じて田中さんは平賀さんと出会い、意気投合。こうして昨年11月にドングリ・レストラン「レ・ドア」はオープンした。現在、平賀さんらの指導の下に、22人の障害者が企業や学校などの許可を得て敷地内のドングリを拾い集めたり、2階の作業場でドングリをつぶして粉にしたり、1階のレストランで接客をしたりして働いている。

さらに平賀さんは相模女子大学健康栄養学科の野田艶子教授に新メニューの考案を持ちかけた。野田教授は「食育にもつながる」と快諾、早速ゼミの学生たちが工夫を凝らし、店頭販売しているドングリ焼ドーナツをベースに、カボチャ、ホウレンソウ、ニンジンの三つの味のドーナツを開発した。

学生たちは、障害者と一緒にドングリ粉作りも手伝う。3年の半澤真美さんは「もっとお店がはやるよう、メニューのアイデアを出したい」と目を輝かせた。田中さんは新しく生まれた交流に手応えを感じつつ、「障害者が自信を持って社会に入っていける応援を続けたい」と考えている。

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