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更生保護の拠点、装い新た 「川崎自立会」の施設

社会 神奈川新聞  2017年04月18日 17:00

20日に落成する川崎自立会の更生保護施設=川崎区浅田
20日に落成する川崎自立会の更生保護施設=川崎区浅田

 刑務所から出所した人や保護観察中の少年たちの社会復帰を支援する更生保護法人「川崎自立会」の更生保護施設(川崎市川崎区浅田)が全面改築され、20日に落成する。5月15日に開所予定で、市内初の更生保護サポートセンターを設置して保護司の活動を支援するとともに、多目的に使える地域交流室を整備。津波発生時には避難所として開放する協定を市と結ぶ予定だ。

 更生保護施設は、社会復帰への第一歩として、宿泊場所や食事を提供し、就職の世話や生活指導などを行うもので全国に103カ所(県内4カ所)ある。旧施設が築46年と老朽化したための改築で、新施設は鉄筋コンクリート造り地上3階建てで、延べ床面積約1130平方メートル。定員は変わらず男性40人(成人36人、少年4人)。居室は1~3階で、プライバシーに配慮し個室を11室増の13室とし、3人部屋は9室。

 1階には、保護司が保護観察対象者と定期的に面談したり、情報交換したりできる更生保護サポートセンターを設置。保護司にとっては自宅以外で面談を行えるメリットがあり、同施設は夜間でも開いているため、働いている保護観察対象者にも便利になる。

 地域貢献の一環で、地域住民が会議やカラオケ、囲碁将棋などが楽しめる多目的ホール(地域交流室)を設置。災害時のために太陽光発電システムも導入し、150人の4日分の食料も備蓄するほか、屋上は津波発生時に避難場所となる。改築の事業費は5億5千万円。国や県、市の補助金、保護司、更生保護女性会など市民からの寄付でまかなった。


地域に開かれた施設を目指して設置される地域交流室(川崎自立会提供)
地域に開かれた施設を目指して設置される地域交流室(川崎自立会提供)

 川崎自立会は、1897年に都内で設立され、東京大空襲で施設を焼失するなどし、1947年11月に現在の場所に川崎授産場として移転。経営の悪化から、市内宗教界や教育界などが協力して「川崎自立会」を設立し、事業を受け継いだ。これまでの収容者は6千人を超す。「川崎に根付いてちょうど70周年。これまでにない地域に開かれた施設として地元に恩返ししていきたい」と斎藤文夫理事長。

 更生保護施設は建設や改築の際、地元の反対運動に遭うことが多いが、今回、こうした動きはなかったという。橋本昇施設長は「再犯防止には施設が重要な役割を果たしている。地域や多くの関係者の支えと理解があって存続でき、感謝している」と話している。


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