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視覚障害者の映画製作ドキュメンタリー 横浜の支援団体が公開

神奈川新聞  2013年05月11日 22:54

映画の先行上映後のトークイベントで話す加藤さん(中央)と新城さん(左)、佐々木監督(右)=4月15日、東京都渋谷区
映画の先行上映後のトークイベントで話す加藤さん(中央)と新城さん(左)、佐々木監督(右)=4月15日、東京都渋谷区

視覚障害者がSF映画の製作に取り組む過程を追ったドキュメンタリー映画「INNERVISION(インナーヴィジョン)」が都内で公開されている。プロデューサーを務めたのは視覚障害者支援団体「View-Net神奈川」(横浜市西区)理事長の新城直さん(56)。自身も視覚障害がある新城さんは「目が見えないと普通は『映画なんて作れないだろう』と考えるが、視点を変えれば作れると実証したかった。啓蒙(けいもう)的ではなく、若い人が楽しんで感じてもらえるドキュメンタリー映画に仕上がった」と話す。

「View-Net神奈川」で企画が持ち上がり、会員でシステムエンジニアの加藤秀幸さん(37)が脚本と音楽を任される。映画づくりのヒントを得るため映像製作会社や映画監督を訪ね、SFアクションの構想を固めていくまでの姿を友人の佐々木誠監督(37)が記録。45分のドキュメンタリーにまとめた。

「3Dというよりも、まず2Dが分からない」

「美人って何? 誰がその顔が美しいって決めたの?」

生まれつき視覚がない加藤さんの“視点”は、「見えないのが当たり前」という世界と同時に「見えること」をあらためて考えさせる。

加藤さん自身が「衝撃的だった」と振り返るのはホラー映画を得意とする山本清史監督のアドバイスだ。主人公が立ち向かう敵の存在を考える際、ホラー映画に出てくるような空想のキャラクターの風貌や動きが想像できず、脚本には「人型とは限らない」とだけ記していた。

「そこは考えなくていい」。山本監督は、イメージを言葉にして伝え、形にしてくれる人がいれば映画は成り立つと説く。加藤さんは次第に、見える/見えないにかかわらず、作品を作りあげる際のコミュニケーションの問題に行き着く。

4月、都内で行われたドキュメンタリーの先行上映会後のトークイベントに新城さん、加藤さん、佐々木監督が登場。映画づくりの難しさや狙いを語り合った。

佐々木監督は「『加藤君の世界はこうです』と結論づける映画にはしたくなかったし、分からなくてもコミュニケーションを取るのが大事。映画は人に頼らないとできないし、人と分かり合うにはコミュニケーションしかない。感想を言い合うなど、映画がそのツールになれば」と期待した。

東京都渋谷区のアップリンクで17日まで公開。一般1500円。詳細はホームページhttp://www.uplink.co.jp/

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