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住宅改修、補助増は4市 財政難、高齢化が壁 旧基準 県内

社会 神奈川新聞  2017年04月16日 10:27

 旧耐震基準(1981年5月以前)で建てられた木造住宅が相次いで倒壊した熊本地震を教訓に、耐震改修を行う家主への補助を増額するのは、県内33市町村で横浜、平塚、小田原、秦野の4市のみであることが、神奈川新聞社の調査で分かった。制度のなかった山北町が新たに助成を始める一方、真鶴町は制度化を見送っており、財政難を背景に取り組み姿勢や手法の違いが際立つ。家主の高齢化で改修が進みにくくなる傾向も否めず、強い揺れから命を守る施策は難しい局面を迎えている。

 県内では市町村が実施主体となっている耐震化の補助を巡っては、国土交通省が熊本地震を受けて緊急促進策を事業化。2016、17年度の時限的措置だが、国と自治体の折半で改修工事の補助額に30万円を上乗せできるようにした。

 横浜、平塚、小田原の3市はこれを活用。改修工事に関係する補助の上限額をそれぞれ100万~105万円に引き上げ、百数十万円以上かかるケースが多いとされる改修の住民負担を減らすことにした。

 秦野市は緊急促進事業が時限的なことなどから活用せず、独自に25万円増額。最大で83万円(設計費なども含む)を助成することとし、18年度以降も見据えた制度の拡充に踏み切った。「熊本地震後に耐震化の相談が増えた。住民のニーズに応えられれば、住宅の耐震化率の向上につながる」と判断したからだ。

 これに対し、補助を増額しなかった自治体の多くが財政難を理由に挙げる。茅ケ崎市や三浦市は「市の負担をさらに増やすのは厳しい」と説明。加えて、緊急促進事業を活用するには、旧耐震住宅を戸別訪問し、支援制度を周知することが要件のため、自治体にとってはハードルが高い。活用を見送った市町村からは「限られた人員で通常業務に加えて戸別訪問まで行うのは困難」(横須賀市)といった声が出ている。

 山北町が上限60万円の補助を始めたのに伴い、県内で唯一、改修の助成制度がない市町村となった真鶴町は「(改修の必要性を見極める)耐震診断の補助はあるが、開始から10年が過ぎても利用実績がない。この状況で改修に補助を行うのは難しい」としている。

耐震化目標 3市「可能」


 県内の自治体はそれぞれ住宅の耐震化率を2020年度までに90~95%に高める目標(大磯町のみ23年度目標)を立てている。しかし、実際の耐震化率は小規模自治体ほど低い傾向があり、神奈川新聞社の調査では、現時点で目標を達成可能とみているのは、川崎、大和、秦野の3市のみだ。

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