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原発事故から6年
ふくしまっ子in湘南<下> 成長を見守っていく

話題 神奈川新聞  2017年04月15日 11:17

保養キャンプ初日、主催者らは福島から到着した親子らを笑顔で出迎えた=藤沢市亀井野
保養キャンプ初日、主催者らは福島から到着した親子らを笑顔で出迎えた=藤沢市亀井野

 4月1日は花冷えで、朝から雨が降っていた。福島の親子らが参加し、4泊5日の日程で行われた保養キャンプも残り1日。横浜市青葉区のこどもの国自然研修センターでは、子どもたちが屋内で野球ゲームなどに興じていた。

 その様子を見守っていた福島市の女性(37)はこう口にした。「息子たちを保養に連れて行けるのも、あと数年かな」

 初めて参加したのは、東京電力福島第1原発事故から半年後だった。あれから6年。当時小学生だった長男は高校生になった。母親と一緒に出掛けることはもうほとんどない。今回の藤沢市の市民団体が催した保養キャンプ「ふくしまっ子 リフレッシュキャンプ in湘南」には、次男(12)と三男(10)を連れてきた。

 自宅は第1原発から50キロ。最初は、放射線の影響を感じていなかった。それが変わったのは3年ほど前だった。

 「三男がほぼ毎日、鼻血を出すようになったんです。事故前は鼻血なんて出なかったのに、今は2日に1回くらいのペースで…。原因は分からないけれど、もしかしたら放射能の影響なのかなあって」

 学校では年1回、甲状腺がんの検査がある。2年前には、次男に「通知」がきた。「のどの水疱(すいほう)が大きくなり増えている、要注意なので病院で検査してください、と。嫌な気分ですよね。落ち込みました」

 福島県が原発事故当時、18歳以下だった福島県内の子どもたちを対象に続けている甲状腺検査の結果、甲状腺がんの「悪性または悪性疑い」は昨年末までに184人に上り、そのうち145人が甲状腺がんと判定されている。

 「深刻に考えたり、悩んだりするお母さんたちは、周囲にそんなにいません。私も普段は不安な気持ちを口にしませんし」

 福島の母子らと向き合ってきた主催の「福島の子どもたちとともに・湘南の会」代表、青柳節子さん(73)は「放射能を毎日気にしていたら生活できません。でも、悩みや不安が消えたわけではないんです」と話す。

 青柳さんによると、10回目となる今回のキャンプでも、母親たちから「洗濯物は今も外に干していない」「除染した土が自宅敷地内に埋まっているので心配」「近所のサッカー場の隣にフレコンバッグ(除染袋)が置いてあるが大丈夫だろうか」といった声が聞かれたという。

 今回、参加14家族のうち7家族はリピーターだった。青柳さんは言う。

 「放射線による健康被害は分からないことがたくさんあります。だからこそ、子どもたちの成長をきちんと見守り、記録していくことが大事。子どもたちが大人になったときに『このキャンプで過ごせてよかった』と思ってもらえるように、です」

 最終日、福島へ戻る子どもたちが口にしたのは「また来るね」だった。


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