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辻堂駅北口の藤沢市外郭団体ビル、事業手法の変更影響で大半が空室/神奈川

社会 神奈川新聞  2013年04月01日 22:33

3月末に完成したが1階路面店のスペースも空室のままとなっている「Cocco Terrace湘南」。右奥はJR辻堂駅=藤沢市辻堂神台2丁目
3月末に完成したが1階路面店のスペースも空室のままとなっている「Cocco Terrace湘南」。右奥はJR辻堂駅=藤沢市辻堂神台2丁目

藤沢市の外郭団体・市開発経営公社が建設費21億円を投じ、JR辻堂駅北口に建設したビルが3月末、入居者が決まらず大半が空室のまま完成を迎えた。着工後に事業手法を変更する迷走の末、公社が直接入居者を探す方式としたが、7階建てのうち1フロア半しか埋まっていない。ビル建設当初の事業目的は達成できず、建物だけが出来上がった。満室のめどは立っていない。

新築ビル「Cocco Terrace(ココテラス)湘南」(地下1階地上7階建て、総床面積約8350平方メートル)は、辻堂駅から徒歩3分ほどの一画(敷地面積約2300平方メートル)に立つ。周辺には大規模商業施設「テラスモール湘南」のほか、総合病院、新築マンションが立ち並ぶ。好立地にもかかわらず、1階の路面店スペースでさえ「民間企業と交渉中」(市担当者)だ。

埋まったフロアは3階の半分と4階。だが、ここに入居するのは自前の、市の資産管理課と、市開発経営公社、市土地開発公社だ。

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「職業体験や、就労支援、社会進出など、子どもから大人まで対応し、働くことをテーマにした一体的施設を整備する」。市は事業計画策定時のコンセプトをこうまとめ、公社に整備を依頼。2010年3月にコンペ方式で整備・運営業者を募集し、11年12月に着工した。

当時ビルは、市の関連施設でフロアの3分の2を埋める計画を策定。市の外郭団体「湘南産業振興財団」(旧・市産業振興財団)や、現在JR藤沢駅の駅ビル内にある「藤沢市民ギャラリー」のほか、若者の就労を支援する市の新事業「ジョブカフェ」などを入居させるはずだった。

だが、同財団は別の新築ビルへ移転。ジョブカフェは名称を変えて類似事業として現在の労働会館(本町1丁目)で展開することになり、ギャラリー移転は市民からの反対意見を受け頓挫した。

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残る3分の1は当初、運営業者がビル全体を家賃保証し、入居者を探してくるマスターリース方式を採用する方針で、市が契約を締結。しかし、事業手法の複雑さや無駄の指摘を受けていた。ビル着工後に就任した鈴木恒夫市長は「手法がわかりにくい」などとして、違約金約5500万円を支払って解約した。事業推進の根幹を支える収支計画と、有力テナントを次々と失い、プロジェクトの迷走が始まった。

現在、公社が当初のコンセプトにこだわらずテナントを探し続けている。空室になっている1、2階は子ども向けの施設、3階はオフィスなど、5~7階は市関連機能の移転や、公共公益施設の誘致に向け検討・調整しているというが、具体化していない。

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