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警官発砲は「違法」、県に賠償命じる判決/横浜地裁川崎支部

社会 神奈川新聞  2013年03月28日 23:45

川崎市中原区で2006年11月、盗難車で逃走中に中原署員から発砲を受け重傷を負った男性(39)が、慰謝料として県などに550万円の損害賠償を求めていた訴訟で、横浜地裁川崎支部(滝沢雄次裁判長)は28日、警察官の発砲の違法性を認め、県に35万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決によると、男性は覚せい剤を使用した状態で盗難車を運転。パトカーの追跡で袋小路に追い詰められた末に、背後のパトカーに車をぶつけるなどした。パトカーの署員は男性に向けて2発、その後タイヤに2発発砲した。

判決では、警察官職務執行法(警職法)に照らして署員の発砲が適正だったかを検証した。パトカーから降りた署員に男性が幅寄せなどの行為をしていないことから、「署員の生命や身体に危険を及ぼす状況ではなかった」と指摘。男性のさらなる逃走の可能性についても、「一刻を争う状況ではなく、まずは威嚇射撃を行うか、要請していた応援の到着を待つ時間的余裕もあった」とした。

その上で、「拳銃を発射して危害を加えることが容認される客観的状況は認められない」とし、「警職法を逸脱したものと言わざるを得ず、適法な職務執行とは言えないから違法性が認められる」と述べた。

賠償額については、「原告の受傷・入院状況に鑑みて300万円はくだらない」としつつ、「男性の行動が発砲行為に至らしめたことは明らか」と述べ、9割を過失相殺し、弁護士費用相当額を加算した。訴訟では署員2人も被告人となったが、判決は「公務員個人は責を負わない」として、県にのみ賠償を命じた。

男性の代理人弁護士は「男性は生死の境をさまよったが、県警は偽りと口裏合わせで、自らの行為を正当化した。いくら悪いことをした人間だからといって、そんな県警の態度は許されない。判決は発砲の違法性を認定しており、評価したい」と述べた。

県警は「判決内容を検討の上、今後の対応を決めたい」とした。

男性は、公務執行妨害や器物損壊、覚せい剤取締法違反、窃盗、道交法違反の罪で懲役4年6月の刑が08年10月に確定。すでに服役を終え、出所している。

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