1. ホーム
  2. 社会
  3. がん患者の実態把握へ 仕事と治療の両立で横浜市

国のビッグデータ分析開始
がん患者の実態把握へ 仕事と治療の両立で横浜市

社会 神奈川新聞  2016年09月08日 09:34

 横浜市は7日、市内のがん患者の治療実態を把握するため、国が保有する医療ビッグデータ(NDB)の分析を始める、と発表した。基礎自治体として全国で初めて。年末から来年春にかけて横浜市立大学臨床統計学教室が解析、市は就労中のがん患者の支援や緩和ケア対策といった医療政策に反映させる。

 NDBは医療機関から電子化されたレセプト(診療報酬明細書)や特定健診などを一元化したデータ。さらなる利活用を目指した厚生労働省が6月、基礎自治体への提供を解禁し、横浜市が初めて申請した。

 これまで市内のがん患者に関しては、継続的に治療する患者数さえ把握するのが難しく、全国一律の統計やアンケートなどに基づいて推計していた。市内のNDBに絞り込んで分析することで、詳細な情報が得られるようになる。

 市が提供を受けるのは2014~15年度の市内のがん治療に関するデータ。対象患者は約5万人とみられ、医療機関や調剤薬局の所在地、患者の性別や年齢、がんの種類、通院頻度、薬の投与状況などが分かるという。

 市は、就労中の患者データを分析し、企業への周知や病院での就労相談に役立てることで、患者が仕事と治療を両立できるよう支援する。また、緩和ケア患者の状況を解析し、緩和ケア病棟の整備や専門医との連携強化を図るとしている。

 林文子市長は会見で「今後も効果的な政策を考える上で、継続的にデータを活用していきたい」とし、市大医学部の山中竹春教授は「就労世代のがん患者は増えている。年代別や抗がん剤治療の程度などを分析し、行政から企業に働き掛ける際の資料を作りたい」と話した。

 市によると、NDBはすでに神奈川をはじめ岐阜、千葉、大阪、東京の5都府県に提供された。神奈川県は市町村別の在宅利用に関するデータ(13年)を入手し、訪問診療や往診の件数を各自治体に情報提供した。


シェアする