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県が設置した遠野の「金太郎ハウス」閉鎖、蓄積生かし連携のあり方模索/神奈川

社会 神奈川新聞  2013年03月09日 00:38

東日本大震災から間もなく2年。県が岩手県遠野市に整備したボランティアの活動拠点「かながわ金太郎ハウス」が9日、閉鎖される。この間、現地入りした自治体やボランティア団体は、「遠野モデル」として全国から注目を集める被災地の後方支援活動を学んだ。そのノウハウを神奈川に根付かせようと、官民の連携のあり方を模索する動きは、施設閉鎖後も続いていく。

岩手県南東部に位置する人口約3万人の遠野市は、沿岸部と内陸部を結ぶ交通の要衝。津波被害に見舞われた宮古、釜石、大船渡市、内陸の盛岡市などには、ヘリコプターで15分、陸路でも約1時間の距離だ。

震災発生直後から「遠野に頼めば何とかなる」との声を受け、遠野市は国道で結ばれている沿岸市町に職員らを投入。運動公園には自衛隊のヘリコプターや他県の緊急車両が続々と集まり、全国から駆けつけたボランティアが市内にあふれた。

活動の土台となったのは、「災害支援基地」の整備構想だ。市は2007年、沿岸部の津波被害を想定し、支援機関や物資の受け入れ、情報収集、活動部隊の滞在-といった「命をつなぐ」拠点としての役割を県や国に提案。過去数回にわたる沿岸部の津波被害を教訓に、市民とともに練り上げた内容で、その年の総合防災訓練で実効性を検証するなど、着実に構想を前に進めていた。

震災後は、市社会福祉協議会を中心に、約8万人に上るボランティアの受け入れや被災地への送迎を担うとともに、被災地での雇用につなげる人材育成事業なども展開。金太郎ハウスの運営も、その一環だった。

こうした後方支援活動は「遠野モデル」と呼ばれ、全国から注目された。「大災害の中で自分たちに何ができるかを計画し、実践の中で第一歩が踏み出せた」と振り返る遠野市防災危機管理課の担当者は、効率的な支援のために「全国的な支援ネットワークを集結・展開させるハブ機能が必要」と強調する。

同市社協の佐藤正一常務理事(64)も「交通が途絶え宿泊施設もない被災地で活動を継続するには、他地域での拠点が欠かせない。社協などが核となり自治体とボランティアが情報共有できれば、連携が深まり支援は拡大する」と力を込める。

神奈川でも、県が総合防災センター(厚木市)を「中央防災基地」に位置づけるなど、広域防災活動を展開する拠点整備は進んでいる。ただ、市町村レベルで社協やボランティア団体と連携した後方支援部隊づくりは、自治体間で開きがあるのが現状だ。

金太郎ハウスを所管する県の担当者は「遠野に拠点を構えたことで、被災地支援のノウハウを学べた」と話す。「県内での災害発生時にその成果を発揮できる基盤づくりを進めたい」とし、今後は中核ボランティアの育成やボランティア団体間の連携強化などに取り組んでいくとしている。

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