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「横濱八十八」再び 孫娘がのれん上げ、高騰にも負けず/神奈川

社会 神奈川新聞  2013年02月15日 23:27

「八十八」の再興を目指す3代目の荒井さん(左端)と浅倉さん(右から2人目)=横浜市中区石川町
「八十八」の再興を目指す3代目の荒井さん(左端)と浅倉さん(右から2人目)=横浜市中区石川町

約10年前に閉店したうなぎの名店「横濱八十八(やそはち)」が23日、横浜市中区石川町で再びのれんを上げる。ウナギの稚魚の不漁など逆境が続く中、3代目があえて再興を目指して挑戦する。

八十八は1910年、初代おかみの荒井米さんが横浜・伊勢佐木町付近に開業。その後は関内に本店を移し、著名人にも愛されたが、約10年前に閉店した。

しかし米さんの孫娘テイコさんは、3年ほど前から八十八復活への思いを募らせてきた。閉店まで勤めていたベテランの板前が自宅で秘伝のたれを守り続けてくれていたこともあり、昨年5月の横浜開港記念バザーなどへの出店で限定復活を果たした。

すると、かつての常連客が毎日列をなした。昔の写真を持ってきてくれたり、店舗で配っていたという「ハマ八十八」と書かれた根付を持ってきてくれたり。「お客さんが待っていると期待を感じた」とテイコさん。震災や不況、ウナギの高騰など逆境ではあるが、店舗再開に踏み出す決意をした。

23日に開店する石川町店は、うな丼のみを扱うリーズナブルな新業態だ。「もともとうなぎは江戸文化では大衆のもので、丼で熱いうちにかっこむものだった」。新たな試みの根底には、亡き父・啓太郎さんから何度も聞かされてきた、そんな言葉がある。「もっと気軽にうなぎに親しんでもらいたい」とテイコさんは話す。

3月8日には吉田町店(中区吉田町)もオープン。こちらの店には常連客だった作家の故山口瞳さん直筆の書などを飾り、かつての高級店のイメージを受け継ぐ予定だ。昔の看板の「横濱八十八」の字体は、両店で箸袋やマッチ箱に使用する。

経営に注力するテイコさんに協力し、いとこで同じく3代目の浅倉美禰子さんがおかみとして店に立つ。「文明開化のころの横浜の味と雰囲気がある店にしたい」と浅倉さんは意気込んでいる。

石川町店はうな丼2200円、小ぶりうな丼1300円など。吉田町店は6千円前後のお膳料理など。両店とも月曜日定休。問い合わせは、八十八事業部電話045(264)4588。

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