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初心者練習で重度障害 横浜商大高柔道部「安全指導徹底を」、15日に損害賠償を求めた訴訟判決/神奈川

社会 神奈川新聞  2013年02月15日 00:45

私立横浜商科大学高校(横浜市旭区)の柔道部の練習中、当時1年で初心者だった男性(19)=同市保土ケ谷区=が経験者で体格の異なる同級生に投げ技を掛けられ、重度の障害を負ったとして、男性と両親が同校に逸失利益や介護費など約2億5600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、横浜地裁で言い渡される。昨年4月に始まった公立中学校での柔道必修化でも「初心者への指導」が課題に挙がる中、「典型的な事故」と話す父親(57)は「指導法が変わらない限り、事故は起こり続ける」と警鐘を鳴らしている。

◆被害男性の父訴え

事故が起きたのは、男性が入部してから1カ月もたたない2008年5月3日。大会会場で、ウオーミングアップもなく、出場する同級生の打ち込み稽古の相手をした。

当時、同級生は少なくとも3年以上の競技経験があり、体重は105キロ。その半分の52キロだった男性は何度も投げられ、畳上で倒れた。診断は「急性硬膜下血腫」。一命は取り留めたものの意識は戻らず、4年9カ月が経過する今も24時間の介護を受けなければならない状態が続く。

父親は「柔道事故の典型的なケース」と指摘する。

相次ぐ事故を受け、全日本柔道連盟が11年に改訂した「柔道の安全指導」では、初心者の事故防止に必要なこととして、体力や技能程度を考慮した個別の指導計画の導入や、経験者と同じ練習を行わないことなどを求めている。

だが、父親は「学校の指導は正反対だった」と憤る。高校入学まで柔道経験がなかった男性は、入部7日目から打ち込み稽古を開始。事故発生までの練習日は通算でわずか19日間で、「受け身ができていたとは思えない」と話す。

名古屋大学の内田良・准教授の調査によると、中学校・高校で起きた柔道事故で死亡した生徒の半数以上は、経験が浅い1年生という。「部活でも授業でも、ほとんどが初心者。同じような対応が繰り返される限り、息子のような犠牲者が出続ける」。再発防止の願いも込め父親は10年、学校側の安全配慮義務違反を訴え民事訴訟に踏み切った。

公立中学校で柔道が必修化されて間もなく1年。父親は「あらためて安全指導を徹底してほしい」と訴えている。

「取材には応じられない」とする学校側は、訴訟で「教諭は、男性が十分に受け身が取れるよう指導しており、何ら義務違反はない」と主張。「指導者らにとって、予見、回避することができない偶発的な事故だった」として、全面的に争っている。

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