1. ホーム
  2. 経済
  3. 異例の決算発表した東芝 ”城下町”川崎、経営再建の行方注視

異例の決算発表した東芝 ”城下町”川崎、経営再建の行方注視

経済 神奈川新聞  2017年04月12日 02:00

インフラや研究開発センターなどの事業部門が入る東芝小向事業所=川崎市幸区小向東芝町
インフラや研究開発センターなどの事業部門が入る東芝小向事業所=川崎市幸区小向東芝町

 東芝の拠点が集まる企業城下町といえる川崎市内では、経営再建の行方を関係者らが注視している。人員削減や事業所閉鎖といった話こそ聞こえてこないものの、米原発事業の巨額損失を穴埋めするために分社化した半導体メモリー事業部門は市内にもある。地元の中小企業関係者からは「早く立て直して地元経済を引き続きけん引してほしい」との声も聞かれる。

 「不正経理問題後の昨年の1万人リストラがあって、V字回復と思っていたが…」。市内の東芝関係者は表情を曇らせる。

 「川崎で当面気になるのは分社化されたメモリー事業の行方。買い取り先次第とはいえ、資本形態が変わっても仲間の雇用や労働条件が維持されるのか」

 東芝は市南部に小向事業所(幸区小向東芝町)、浜川崎工場(川崎区浮島町)、スマートコミュニティセンター(幸区堀川町)などの主要拠点が集中し、本体だけで1万人以上が働く。グループも含めると、裾野はさらに広がる。今年3月末に閉鎖した青梅事業所(東京都青梅市)の映像部門も移った。

 「東芝メモリ」として分社化され、売却先を決める入札が行われている部門では、生産拠点の四日市工場(三重県)があるが、小向事業所、堀川町のビルにも開発などの関連部門がある。

 入札では「拠点や雇用の維持は条件」(同社広報)となっているものの、巨額損失の影響は読み切れない。市内の関係者も「先々の経営に影を落とさないか、漠然とした不安はある」と話す。その上で「社員は信頼を損なうことのないよう、それぞれ仕事にしっかり取り組んでいる」と現場のムードを明かす。

 東芝は前身の東京電気が1908年に幸区堀川町に電球工場を操業して以来、川崎に根を張ってきた。量産工場は地方や海外に移ったものの、市内を拠点とする野球やバスケットのチームもあり、川崎を代表する企業であることに変わりはない。

 市幹部は「市内経済や雇用への影響を注視する必要がある」と説明。一連の問題を受けて3月初めに行った市内中小企業に対するアンケートでは「漠然とした不安はあるようだが、東芝との取引が50%を超す企業でも、売り上げへの影響や値下げ要求などの動きはなかった」(市工業振興課)という。川崎信用金庫も「取引先を分散している中小企業が多く、今のところ影響は出ていない」と話す。

 市工業団体連合会の会長は「東芝は川崎の経済や文化、スポーツなど地域の発展に果たしてきた役割は大きい。経営を建て直し、これからも地元を代表する企業として経済を引っ張っていってほしい」と早期再生に期待を込めた。


シェアする