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彫刻家井上信道さん関係者らがアトリエ保存呼び掛け、中区で作品展/横浜

神奈川新聞  2013年01月31日 12:01

アトリエに残る信道さんの作品に囲まれた井上寛子さん=横浜市神奈川区
アトリエに残る信道さんの作品に囲まれた井上寛子さん=横浜市神奈川区

1975年に横浜文化賞を受賞し、2008年に99歳で亡くなった彫刻家井上信道さんの作品とアトリエを残そうという関係者の思いが高まっている。野外作品は横浜駅西口コンコースにもあり、市民に親しまれているものばかり。31日からは作品展が開催され、広く市民に呼び掛けていく。

同市神奈川区中丸に残るアトリエは、母屋の離れとして昭和初期に建てられた。上げ下げ窓、下見板の壁などシンプルな様式の洋館。8人兄弟で、信道さんの他にはピアノや哲学を学ぶなど、芸術に理解のある家風だった。共に画家である妻の寛子さん(95)と娘の大野静子さん(66)は「初めは家族のアートサロンとして使っていたのでは」と推測する。

信道さんが34年に東京美術学校(現東京芸大)を卒業してからはアトリエとして使用。45年の横浜大空襲では爆風で天井に穴が開き、信道さんが修繕した跡がある。アトリエには今も多くの作品が残り、「今後家族がいなくなったら、どうなるのか分からない」と寛子さんは不安を口にする。信道さんは名前の表示にこだわらない人だったといい、作者が知られないまま、市内の公園などに設置されているものも多い。

イギリス館(同市中区山手町)元館長の牧野迪代さん(71)は、信道さんの彫像が同館に置かれていた縁でアトリエを訪ねた経験があり、横浜シティガイド協会(嶋田昌子会長)などに紹介。同会で昨年10月に見学ツアーを行い、7月には内田青藏神奈川大学教授の研究室が調査を行うなど、保存に向けた周知活動を始めた。「いずれは一般公開ができるよう整備していければ」と静子さんは話している。

31日から2月5日まで、横浜市中区の「山手234番館ギャラリー」で作品を展示。5日には内田研究室によるギャラリートークで井上邸の紹介も行う。入場無料。問い合わせは同ギャラリー電話045(625)9393。

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