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湯河原に津波避難所 屋上は150人分

社会 神奈川新聞  2017年04月11日 02:00

町内で最も海抜が低い門川地区に完成した津波避難施設兼消防団分団詰め所
町内で最も海抜が低い門川地区に完成した津波避難施設兼消防団分団詰め所

 湯河原町で最も海抜が低い沿岸部の門川地区に、津波避難施設が完成した。老朽化した消防団分団詰め所を取り壊し、避難施設兼詰め所を新たに整備。津波発生時に約150人が緊急避難できる屋上部分(海抜14.4メートル)は、県の予測する津波の最大値を超える高さを確保した。9日には完成式と内覧会が行われ、地元住民らが待望の施設の誕生を喜んだ。

 施設兼詰め所は鉄骨2階建て。1階は町消防団第5分団団員の待機室や消防車両用車庫などがあり、2階の団員の待機室は災害時の近隣住民の避難所(70人弱収容)を兼ねる。

 75平方メートルほどの屋上部分は建物外側に設置された階段を上り、津波が引くまでの時間を過ごすことができる。またLPガスを活用して自家発電するための装置や、下水道管と直結した災害用トイレも設けた。

 町は昨年6月、整備工事に着手。約7200万円を投じ、ことし3月下旬に完成した。事業費の一部は国の補助金で賄った。

 県が2015年3月に公表した津波浸水予測図で、門川地区には最大で高さ10・9メートルの津波が押し寄せるとされた。浸水の水深は最大3メートルだが、町消防本部総務課は「住民は浸水深よりも、10メートル超の津波に強い危機感を持っている」と説明。海抜が低く、高い建物の少ない地区の住民の不安を少しでも和らげるため、屋上部分の海抜が津波の最大値を上回るよう、建築基準法に基づく高さ制限の上限9・1メートルにした。

 2階部分の運用方法は今後、町と第5分団、地元自治会で話し合う。9日夕に行われた完成式で、冨田幸宏町長は「安全・安心の一助となる施設になるよう、消防団や自治会と協力し、体制づくりを進めたい」とあいさつ。自治会の富岡敏・門川区長(61)は「津波は5分で到達すると予測されているが、高台まで逃げるには徒歩だと20分近くかかってしまう。地域の住民がここに避難できれば命だけでも助かる」と完成を喜んだ。


約150人が緊急避難できる、海抜14・4メートルの屋上部分=湯河原町門川
約150人が緊急避難できる、海抜14・4メートルの屋上部分=湯河原町門川

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