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「もう一枚のチケット」で施設の子に能・狂言を、能楽堂が機会広げる新しい取り組み/横浜

神奈川新聞  2013年01月07日 00:04

芸術に触れる機会が限定されがちな児童養護施設の子どもらに能・狂言に親しんでもらおうと、横浜能楽堂がアートプロジェクト「もう1枚のチケット」に取り組んでいる。該当する公演のチケット2枚分の料金を支払えば、1枚が自動的に子どもに贈られる仕組みだ。このプロジェクトの実績はまだ限定的だが、能楽堂では「社会運動として取り組みを広めたい」と意義を話している。

能楽堂では毎年、子どもが対象のワークショップを開いている。参加者の多くは私立学校に通うなど、経済的に恵まれている例が多い。

一方、家庭の事情などで児童養護施設で暮らしている子どもについては、付き添いが必要なことなどから参加が厳しいのが実情だ。保護者に連れられて芸術に触れる機会を持つことが難しい、こうした「文化的最弱者」に生の感動を提供しようと、能楽堂は2012年4月からプロジェクトを始めた。

対象は、毎月第2日曜日に定期的に開かれている公演「横浜狂言堂」。狂言2曲が破格の2千円で楽しめるうえ、解説も付いているため子どもにも分かりやすい。プロジェクトに参加する場合は、一般発売日前日に予約でき、チケット1枚につき4千円を支払う。

これまでの9公演で17枚の寄付があり、利用者は延べ6人だった。「好奇心旺盛な子どもなので、ぜひ見せてあげたい」と施設側が申し出てきたケースのほか、「すごくおもしろかった」と2回の公演を見た子どもも。

利用がなかったチケットは、その後の公演に繰り越されている。能楽堂では、県内の児童養護施設や、里親と子どもらが集団で生活するファミリーホームなど、より広い範囲に利用を呼びかけていく予定だ。

「児童養護施設の子どもたちも一緒に社会を構成していることを、意識したい。通り過ぎる経験の1回にすぎないかもしれないが、その後の人生を豊かにする可能性もある」と話している。問い合わせは横浜能楽堂電話045(263)3055。

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