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大山寺創建の由縁探る、元高校教諭の川島さんが「縁起絵巻」解説本を出版/伊勢原

社会 神奈川新聞  2012年11月26日 12:36

出版記念会でスピーチする川島敏郎さん=10月26日、伊勢原市商工会館
出版記念会でスピーチする川島敏郎さん=10月26日、伊勢原市商工会館

関東三大不動の一つとされ、紅葉の名所でもある大山寺(伊勢原市大山)の創建の由縁が記された「大山寺縁起絵巻」を分かりやすく解説した本が出版された。執筆したのは、約30年にわたり地元公民館で古文書講座を続けている元高校教諭。「大山信仰の研究は懐が深く、興味は尽きることがない。今後も信仰の根幹を考究したい」と意気軒高だ。

著者は元県立高校教諭の川島敏郎さん(65)=綾瀬市深谷=。県立厚木高校に社会科教諭として赴任していた30年ほど前、知人からの依頼で伊勢原の古文書を読む活動をスタートした。大山関係の史料を市民とともに読み込むとともに、地元の大山公民館で講座を開く活動を今も続けている。

今回出版したのは「定本大山寺縁起絵巻」(NPO法人「旅めぐり証明発行基金会」発行)。大山寺の創建の由縁が記された縁起絵巻(1532年作成、平塚市博物館蔵)を基に、逐語訳を施すなどして分かりやすく解説した。

大山寺は奈良の東大寺を開いた良弁(ろうべん)が755年に開山したとされる。相模国の国司夫妻が金色のワシにさらわれたわが子を探し続け、東大寺別当となった良弁と親子の対面を果たす。その後、良弁が聖武天皇からの経済的援助を受けて、神聖な山である大山に寺を建立する話が絵巻に記されている。

「先学の研究では、誤読によって正確な意味の把握ができなかったり、難しい仏教用語が多くて理解しづらかったりした。脚注や逐語訳を付け、他の大山寺縁起絵巻と比較するなどして全体の内容を把握できるように配慮した」と川島さん。

10月下旬に伊勢原市内で開いた出版記念会では、「研究の道は決して平たんではなかった。いずれは英語や中国語などに翻訳するとともに、演劇や紙芝居を通じて多くの人に伝えていきたい」とスピーチした。

定年退職した今も研究意欲は衰えず、「大山不動霊験記」(大山寺蔵)を読み解き、大山不動尊の御利益体系を分析する研究も進めている。

本はA4判74ページ。千部発行し、1部1500円で販売している。送料100円。問い合わせは同基金会電話046(283)0450。

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大山寺創建の由縁などが解説されている「定本大山寺縁起絵巻」
大山寺創建の由縁などが解説されている「定本大山寺縁起絵巻」

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