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被災地でも大活躍「トイレカー」 海老名の警備会社、市民の“善意”も届け/神奈川

社会 神奈川新聞  2012年11月24日 10:33

全国障害者スポーツ大会でも活躍したトイレカー=岐阜
全国障害者スポーツ大会でも活躍したトイレカー=岐阜

トラックの荷台にトイレが乗った「トイレカー」。海老名の警備会社が開発し東日本大震災復興のボランティア支援などに活躍、知名度を上げつつある。被災地ではがれき除去などの現場で特に女性のボランティアに喜ばれた。少しずつ活動の場を広げている。

トイレカーはもともと、警備会社「優成サービス」(海老名市国分南、八木正志社長)が5年ほど前に警備員用に開発した。八木社長は「コンビニエンスストアでトイレを借りるのはみっともなかったので」と振り返る。乗っているのはただのトイレでなく、おがくずで排泄(はいせつ)物を分解するバイオトイレだ。オストメイト(人工肛門などの保有者)にも対応できるほか、シャワー、車いす用のリフトなどの機能もあり、現在は4台ある。

従業員用のほかに国土交通省の依頼を受けて高速道路の渋滞時の利用者向けに出動。トイレがないため障害者が遠出に備えて前日から飲食を我慢しているという話を聞き、老人ホームの旅行に同行したりしていた。

転機は東日本大震災だった。娘が理事長を務めるNPO法人「やさしくなろうよ」からの委託を受ける形で震災10日後に宮城・石巻へ支援物資を届けた。「被災地のあの光景を見たらやめられない」と、その後も会社を挙げてボランティアへのめり込んでいった。2011年8月からことし10月末まで社員が交代で岩手・遠野、宮城・南三陸などにトイレカーで“出張”した。

市民から多くの温かい支援もあった。昨年秋のお彼岸に津波で大きな被害を受けた岩手・大槌町の墓地に花を供えようとした際には、4千束分の寄付金を受けた。冬に南三陸などの仮設住宅で暮らす被災者に温かい布団で寝てもらおうと、布団乾燥機を寄贈しようとした際にも42台の提供を受けた。「わざわざ新品を買って送ってくれた人もいた。泣きながら同封の手紙を読んだ」

ボランティアでの出動が多いため、活動資金はほとんどない。被災地へは車中泊しても往復5万円ほどかかり「活動するほど赤字になる」と八木社長。公共工事減少などのあおりを受けて本業の警備業の方も苦しい。

一方で光明も差している。2011年度に川崎市が「かわさき基準認証福祉製品」に認証。ことしは千葉で行われた9都県市合同防災訓練や、岐阜国体の後に行われた全国障害者スポーツ大会にも要請されて出動した。「全国レベルの知名度になった」と実感をかみしめる。これらは出動費も出るためビジネスとしても回り始めている。

八木社長は「同じ志が全国的に広がってくれれば」と願っている。各地でそれぞれの組織がトイレカーを持てば支援活動が全国に広がる。「災害や福祉、イベントにも使える。自治体にも参考にしてもらいたい」。問い合わせは、やさしくなろうよ電話046(235)5200。

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