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【かながわの本】飼い主の心得を学ぶ 「大佛次郎と猫 500匹と暮らした文豪」大佛次郎記念館 監修

カルチャー 神奈川新聞  2017年04月05日 10:29

かながわの本
かながわの本

大佛次郎と猫
大佛次郎と猫

 「鞍馬天狗」「パリ燃ゆ」「赤穂浪士」などの小説で知られる横浜の作家・大佛次郎(1897~1973年)。愛猫家としても知られ、生涯一緒に住んだ猫の数は500匹を超えるといわれている。「猫と文豪」といえば、真っ先に夏目漱石を思い浮かべる。また、最近では村上春樹が愛猫家としてよく知られているが、さすがの二人も500匹の猫の面倒を見た経験はないだろう。

 本書は、大佛の生誕120年を記念して、大佛次郎記念館(横浜市)が監修した。大佛が集めた300点にものぼる猫の人形や絵などの中から厳選した逸品を紹介するとともに、大佛のエッセーや写真などを掲載。

 大佛家には「住み込み」と「通い」の猫がいて、常時10匹以上がたむろしていたという。“猫屋敷”と化していた大佛家には手紙とともにバスケットに猫が詰め込まれ、投げ込まれることも日常茶飯事だったよう。

 「猫飼いのエチケット」というエッセーでは、「冷然と、他人のところに迷惑と負担を付けて猫を投げ込んで行く世間の良家の人々は、何とけしからぬ動物どもであろう」「捨てるなら勇気を出して鍋で煮て、おあがりなさい」と、飼い主の勝手な振る舞いに怒り心頭の様子。

 「捨てられた猫を私は捨てられない」。エッセーにつづられた大佛の言葉が切ない。

 昨今、犬より猫を飼う方が人気というが、猫を飼う前に、本書を読んで飼い主の心得を学びたい。

 
(小学館電話03・5281・3555、1620円)


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