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亡き人思い木像作り、平塚の彫師らが石巻で被災者と交流/神奈川

社会 神奈川新聞  2012年09月25日 16:34

亡くなった近親者らを思い、童の木像に顔を入れた石巻市の被災者たちと山田さん(木像を指さしている男性)=石巻市
亡くなった近親者らを思い、童の木像に顔を入れた石巻市の被災者たちと山田さん(木像を指さしている男性)=石巻市

円空学会常任理事で彫師の山田匠琳さん(76)=平塚市土屋=と、山田さんの指導を受け円空一刀彫や木彫の制作に取り組んでいる「木遊会」(約200人)の会員7人がこのほど、東日本大震災の被災地の宮城県石巻市を訪問した。被災者約70人と童の木像170体への顔入れを行ったほか、平塚市民らの手紙で包んだ円空千面菩薩1200体を石巻市内の3寺院に奉納した。

山田さんらは15~17日、石巻市の仮設住宅団地2カ所と、同市内の普誓寺、西光寺、洞源院を訪れた。

仮設住宅団地の集会所2カ所で行ったのが童の木像170体への顔入れ。木像は高さ約8センチで、木曽ヒノキを山田さんと助手が顔の部分を除いて彫り、持ち込んだ。事前に告知をしていたところ、被災者約70人が参加した。

参加者は、大震災で亡くなった近親者らを思いながら、鉛筆で顔や服を描いたり、頬紅を塗ったりして像を完成させた。複数の木像の顔入れをした人も。参加者は、仏壇に飾ったり、バッグやポケットに入れたりして、亡くなった人を身近に感じていたいと話したという。

「木像に『気』が入りました。ぜひ大切にしてほしい」と、指導にあたった山田さん。作業中、参加者からは現在の生活や亡くなった人の思い出など、さまざまな話を聞かされた。「被災者からは、話を聞いてくれたことがうれしかったと言われました」と語った。

昨年9月にひらつか市民プラザで開いた木遊会の展示会では和紙を用意し、来場者約1200人に被災地へのメッセージを書いてもらった。「いつまでも応援します」「元気を出して下さい」など、さまざまな思いがつづられた。山田さんと会員は、これに合わせて高さ約3~10センチの円空千面菩薩を1200体彫り上げ、メッセージが書かれた和紙に包んで3寺院へ奉納を行った。各寺院では開眼供養が行われ、今後、檀家(だんか)らの希望者に配布される。

山田さんは「平塚と石巻は防災協定を結んでいることもあり、市長や国会議員、高齢者から子どもまでがメッセージをしたためてくださいました。ようやく平塚市民の気持ちを届けることができ大変うれしい」と話している。

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