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MM21地区の結婚式場計画の景観論争が決着、「変わらぬ印象、残念」変更案に市民団体/横浜

社会 神奈川新聞  2012年08月24日 12:30

当初示された外観デザイン(上)と今回の変更案(下)。建物全体の圧迫感が和らいだのが特徴という
当初示された外観デザイン(上)と今回の変更案(下)。建物全体の圧迫感が和らいだのが特徴という

横浜・みなとみらい21(MM21)地区を代表する立地に計画されている大型結婚式場の外観デザインの是非をめぐって年明けから続いていた景観論争が決着した。開発事業者と話し合ってきた横浜市は「地区に調和するデザインに変更された」と評価。23日に市有地0・4ヘクタールを30年間にわたり貸し付けると公表した

事業主は紳士服大手のAOKIホールディングス子会社のアニヴェルセル(横浜市)で結婚式事業を全国展開している。開発予定地区は大観覧車「コスモクロック21」に隣接し、周辺には横浜赤レンガ倉庫や汽車道など横浜港を象徴する産業遺産が集まり、観光客も多く訪れる一等地だ。

「都市景観協議地区」内でもあり、同社は昨年12月、市に協議の申し出書を出した。横浜市長の諮問機関「都市美対策審議会」(都市美審)の景観審査部会(部会長・卯月盛夫早大教授)はことし1月に審議を開始。さまざまな地域や時代を背景にした建築デザインを模倣し、混在させているなどの異論が相次いだという。同社は塔の高さを引き下げるなど変更案を示したが、都市美審は3月に「地域と調和しておらず、現計画は受け入れがたい」とする反対意見をまとめた。協議が不調に終わる異例の事態に陥った。

都市美審の意見に法的拘束力はないものの、横浜市は同社との交渉を継続。4カ月間の話し合いを重ねて、地区内の建物群と調和させるため、欧風のデザインを現代的にアレンジする案がまとまった。具体的には建物全体の色調を淡くし、赤レンガ倉庫を引き立たせた。壁や屋根にガラスやメタル素材を採用するなどモダンな設計にするなど開放性を高めた。市の「景観ガイドライン」28項目全てをクリアしたという。

アニヴェルセルは9月に着工し、来年秋に大小二つのチャペルと七つの宴会場を備えた日本最大級の邸宅型結婚式場(延べ床面積約約1万6千平方メートル)を完成させる。同社は「市民に愛される施設となるよう努める。事業を通じ新港地区のにぎわいを創出し、地域に貢献したい」と述べた。

都市美審の卯月部会長は「意見を真摯(しんし)に受け止め、デザインが大幅に修整されたことについては十分とはいえないが、一定の評価をしなければいけない。協議の進め方などは大きな課題が残ったので早急に議論して改善していきたい」とコメントした。

「景観論争」をめぐり、建築家らでつくる市民団体「横浜港内水域の市民利用について考える会」もデザイン見直しなどを求めていた。発起人の一人、桜井悦子さんは「変更案は以前とほとんど変わらない印象で残念だ。都市美審の意見が反映されなかったことを踏まえ、今後はより実行力のある景観行政をしてほしい」と話している。

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