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秦野市観光協会が集客へ企画続々、自主財源確保に成果も/神奈川

社会 神奈川新聞  2012年08月13日 11:29

丹沢や秦野の魅力アップや話題づくりに向け、秦野市観光協会が新たな集客作戦を次々と打ち出している。山々を巡るスタンプラリーや土産品の企画・開発などを手掛けるとともに、民間企業へのセールスも積極的に展開し、自主財源の確保に奔走。市への財政依存率は低下しており、自立した外郭団体としても注目を集めている。

同協会は従来、市長が会長を務めていたが、古谷義幸市長の意向もあって2007年に会長人事を公募にした。市内に拠点を置く半導体メーカーの元社長が会長に就任し、09年からは元JAはだの代表理事組合長の松下雅雄氏が会長を務めている。

独立性を高めるため、市役所の観光担当部署内にあった事務所を07年に分離。09年7月には、県内の観光協会で初めて任意団体から一般社団法人に移行した。これにより任意団体ではできなかったネットショップの運営や酒販免許の取得、キャラクターの商標登録などを進めることができたという。

このほか「丹沢はだの三兄弟」のキャラクターを観光宣伝に活用したほか、新たな観光資源をと、市内の神社仏閣を巡る「南はだの村七福神と鶴亀めぐり事業」を市民や商業者らと開始した。

最近では、友好都市の韓国・坡州(パジュ)市の特産品・山ぶどう酒を輸入販売。今年4月からは、登山ブームを捉えて丹沢の山々を巡る「丹沢・大山やまなみ登頂スタンプラリー」をスタートさせた。ラリーは7月までに約4千人が参加し、年間5千人の目標に早くも迫る勢いだ。

観光を盛り上げる企画が次々と生まれる背景には少数精鋭の人材がある。市民公募で就任した勅使川原千春事務局長以下5人の職員はすべて民間出身。自前でデザインを手掛ける職員がいるほか、勅使川原事務局長はテレビ局勤務や広告プランナーの経験を生かし、市内外で秦野のPRや営業活動に奔走している。

スタンプラリーでも、都内のアウトドア関連企業などに出向いて企画を説明。地元も含め、さまざまな企業から協賛を得て、認知度も向上している。

こうした取り組みが自主財源の確保にもつながっており、市への依存度を示す総事業費に対する補助金率は、06年度の約90%から11年度は60%を切るまでに下がった。

過去10年間の市の観光入り込み客数は、08年の226万人をピークにやや減少傾向にあるが、登山ブームなどもあって、県内のほかの観光地に比べると減少幅は小さいという。

勅使川原事務局長は「秦野は観光地というイメージが弱いが、癒やしや水、里山などの空気感そのものが貴重な観光資源。協会の財政基盤はまだ不安定だが、今後は新東名高速道路の開通もあり、自立度を高めながら観光振興に努めていきたい」と話している。

県観光協会の斎藤文夫会長は、秦野市観光協会の取り組みについて「新しい観光資源づくりに積極的で、地元の魅力や郷土愛をうまく引き出している。他の地域も参考になるのでは」と高く評価している。

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