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【社説】東芝再建 「うみ」を出し切れるか

社説 神奈川新聞  2017年03月28日 11:32

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 不正会計に端を発した東芝の迷走が続いている。

 米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)で発生した巨額損失の処理問題が長期化し、2016年4~12月期連結決算の発表を再延期。東京証券取引所により上場廃止の恐れがある監理銘柄の指定も受けた。

 決算発表の延期は2月に続いて2度目になる。同社によると、米監査法人との調整がWHの巨額損失を巡って難航し、東芝本体への悪影響を食い止めるため米連邦破産法の適用を申請する方向で調整中という。

 追加調査を実施して4月11日には決算発表を行いたいとしているが、課題は山積している。

 06年に買収したWHは同社の将来を託す海外原子力事業の柱になるはずだった。しかし、米国で受注した原発4基の建設について、パートナー企業と費用負担を巡るトラブルが発生。東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故で安全基準が厳しくなり、経営環境は悪化した。

 WHの損失額は約7千億円と見込まれているが、「隠れた債務を抱えている」との懸念もある。WH幹部が損失の圧縮を求めた「不適切なプレッシャー」も発覚した。内部統制が効かないWHを切り離し、海外事業から撤退する判断は妥当だろう。

 ただ、もっと早く判断できたのではないか。15年春に表面化した、歴代3社長が利益水増しを迫った不正会計の背景にWHの財務上のリスクがあったのでは、との見方がなされていたはずだ。当時の検証が不十分でうみを出し切れず、迷走状態を招いたと言わざるを得ない。

 その反省に立たなければ、再生への道は開けず、最優先とすべき信頼回復も望めまい。巨額損失を穴埋めするために主力の半導体事業を売却する再建策に、技術の海外流出を防ぐ名目で公的資金を投入することも政府内で検討されているようだが、安易な救済策には反対である。

 創業140年余、

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