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実効性どう担保 原発避難者いじめで再発防止策

社会 神奈川新聞  2017年03月28日 02:00

市総合教育会議を受けて会見する岡田教育長(右から2人目)=横浜市役所
市総合教育会議を受けて会見する岡田教育長(右から2人目)=横浜市役所

調査報告書 一転公表へ


 原発事故で横浜市に避難した男子生徒(13)へのいじめ問題の発覚から約4カ月。27日の市総合教育会議では34項目にも及ぶ再発防止策が取りまとめられたが、今後は実効性が課題となる。第三者委員会による調査報告書も公表する方向に転じ、市側は「これからがスタート」と気を引き締めた。

 「チームアプローチ体制の整備」「道徳教育、人権教育の充実」…。八つのテーマに分けられた34項目がずらりと並ぶ。会議に出席した教育委員からは早速、「客観的に評価できる仕組みが必要」などと実効性を求める意見が挙がった。

 再発防止策が周知され、学校で適切に使われているかをどう点検するのか。「組織対応できるように」「いじめの定義理解に努める」といったことを最重要課題に掲げた岡田優子教育長は「客観的なチェックの手法を検討する」とし、第三者委などの専門家が点検する仕組みに言及したが、詳細は未定だ。

 子どもを取り巻く課題が複雑化している社会情勢を踏まえて、区役所と学校との連携を深めて早期対策に結び付ける考えを示す市幹部もいる。そのために市教委は、スクールソーシャルワーカーや要保護児童対策地域協議会などの枠組みの活用も検討する。

 また、今回の問題では市教委の閉鎖性などが指摘されたが、岡田教育長は「第三者委の調査報告書に関しては公表する方向で考えたい」と方針転換した。

 理由として(1)新聞報道などで事実上公知の事実となっていること(2)再発防止策に対する第三者委の意見書で調査報告書の公表は公平中立性を守る意味で大事と指摘(3)生徒側から公表を求められた-の3点を挙げる。これまでは、「子どもの成長を考えたプライバシー保護」などを理由に、非公表としてきた。

 岡田教育長は「文部科学省も一般に公表するとしていないため慎重に取り扱ってきたが、いじめをみんなでなくそうという中で、第三者委がいじめをどう認定し、厳しく指摘したかを公表することは、一般の方がいじめを考える上で大事だと考えた」と説明した。

 調査報告書は個人情報保護条例に基づき、個人名や学校名など一定範囲については伏せた形で、4月中にもホームページなどで公表する方針。

 ほかの事例の調査結果公表については、国が進める「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の策定などを踏まえ、弁護士や学識経験者らからなる付属機関で公表のあり方を議論した上で、ガイドラインを策定する。

横浜の避難生徒いじめ問題 東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した男子生徒(13)が不登校になり、横浜市教育委員会の第三者委員会は昨年11月、避難直後から小学校で名前に「菌」を付けて呼ばれるなどのいじめがあったと認定する報告書をまとめた。男子生徒は「しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」とつづった手記を公表した。市教委は昨年12月、再発防止検討委員会を設置して、議論を続けていた。


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