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チケット転売問題考(下) 安全対策から規制を 

社会 神奈川新聞  2017年03月26日 11:12

サカナクションのツアーでは電子チケットが導入された=2月、東京・お台場のライブハウス
サカナクションのツアーでは電子チケットが導入された=2月、東京・お台場のライブハウス

 「日本最大級のチケット売買サイト」と、テレビCMを打ち、主催者が禁止する「転売」を利用する後ろめたいイメージを覆そうとする国内最大手の「チケットキャンプ」(運営はフンザ)。売りたい人、買いたい人を結びつけたサイトは近年、急成長を遂げている。個人間でのやりとりが多いと思われていた転売だが、「ヤフー!オークション」で落札された音楽・舞台のチケットの合計金額を、出品者の各アカウントを集計し順位付けしたサイトでは、月6千万円以上を売り上げるものもあり、組織的な動きも浮かび上がる。とどまることを知らない転売ビジネスに、興行側も徐々に対策に乗り出している。

 2月、コンビニエンスストア大手ファミリーマートが、東京都内3店舗に納めた印字前のチケット用紙が盗難、もしくは紛失したことを公表した。

 同社広報によると、昨年末に行われた音楽イベントで、印字前のチケット用紙に公演情報をプリントした偽造券が、オークションサイトに流通し販売された。その後、購入者によって実際に使用されたことが確認されており、巧妙な手口で法に触れてでも利益を得ようとする人たちが後を絶たないことが、あらためて明らかになった。

電子チケット


 主催者側も黙って見過ごしてはいない。サイトを監視し、公演前に転売された座席が特定できた場合は、入場規制を行うなどしてきた。

 ほかにも、転売目的の買い占めを増加させない策として、チケット購入時に顧客がウェブ上で顔写真の登録をする「顔認証」システムも取り入れている。

 音楽を生み出すアーティストも静観はしていない。ロックバンド「サカナクション」でボーカル・ギターを務める山口一郎さん(36)は「(転売は)ビジネスや経済学的にはおかしくないけれど、文化としておかしい」と主張。1月末から始めたツアーで「電子チケット」を試験的に導入した。

 チケット購入時に、スマートフォンや携帯電話のショートメッセージサービスを利用し、本人確認をする。本人の端末に入場券のデータを送信するもので、多くのファンが「購入時に戸惑ったけれど、チケットを忘れる心配がない。転売防止につながればいい」と理解を示した。


電子チケットの画面には、アーティスト名、日時、利用者の氏名などが記されている。画面右上には認証のスタンプも(画像はサンプル)
電子チケットの画面には、アーティスト名、日時、利用者の氏名などが記されている。画面右上には認証のスタンプも(画像はサンプル)

 この電子チケットでは、チケット情報が組み込まれた携帯画面に電子スタンプを押し、入場を許可する。

 認証は一瞬で行われ、紙のチケットをもぎるよりも時間も短縮でき、人件費の削減につながると期待されている。携帯に電波が届かない、バッテリーがわずかなどのトラブルもあったが、大きな混乱は見られなかった。

 また、今ツアーでサカナクションは、チケットを誰かに譲りたい場合、ファン同士が「定価」でやりとりできるトレードシステムも準備した。ツアー全体で流通しているチケットの5%ほどが活用するのではと予測している。

 ただ、コンサートはファンにとって特別な日。アーティストと過ごした思い出の時間を、形として残しておけるように終演後に配布するチラシなどと一緒に公演の日付や会場名などが入った「メモリアルチケット」も出口で配った。「ファンの気持ちを考えてくれている」「思わぬプレゼントをもらった。うれしい」と好評だった。


終演後、来場者に配られたメモリアルチケット
終演後、来場者に配られたメモリアルチケット

ファン心理



 悪質転売に関してサカナクションが所属する音楽事務所「ヒップランドミュージックコーポレーション」の常務取締役執行役員で、日本音楽制作者連盟(音制連)理事の野村達矢さん(54)は「(購入者の)モラルに訴えることと、自己防衛しかない」と話す。

 電子チケットシステムを導入することで、開発費がチケット価格をつり上げるのではという懸念もある。しかし「例えば、

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